問1
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問1(1) 地上天気図
問1の(1)から問題を解いていきましょう。
まず、図１の地上天気図を見ます。
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地上天気図を見ると、石垣島付近に中心気圧①994hPaの台風があり、東北東へ16ノットで進んでいます。
この台風の24時間後の予報円の大きさは直径②150海里で、24時間後にこの円内に台風中心が入る確率は③70%です。
台風の予報円が2つの場合は、12時間刻みです。間違えて一つ目の予報円の直径を読み取ってしまった方注意です。
台風中心付近の最大風速は④35ノットで、今後24時間以内に最大風速は⑤40ノットに達すると予想されており、この台風に対しては⑥海上強風警報が発表されています。
日本の東には、中心気圧998hPaの温帯低気圧があって⑦東北東に20ノットで進んでいますね。
石垣島の地上観測の現在天気によると、下層に積雲が確認できます。
また現在天気では観測時間1時間内に観測所にしゅう雨があったが観測時にはない記号となっていますので、⑧は対流雲、⑨は前1時間前となります。
過去3時間の気圧変化量は-11と表記されていますので⑩-1.1hPaです。
日本や東シナ海には⑪海上濃霧警報が発表されており、その発表基準は視程は⑫0.3海里以下となります。
海上濃霧警報の発表基準は、よく出題されるので必ず覚えておきましょう。
問1(2) 強風軸との関係
問1の(2)です。
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この問題では500hPaの強風軸と低気圧中心の位置関係を見ていきます。
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強風軸は北に正渦度、南に負渦度のある箇所の境界ですので、緑線が考えられます。
地上天気図で日本の東にある低気圧は、この強風軸とほぼ同じ位置にありますね。
よって、答えは「ほぼ真下」となります。
問1(3) 台風中心の傾き
問1の(3)です。
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次は地上と500hPaでの台風中心の位置関係です。
地上天気図では、石垣島付近の×が台風中心、500hPaではLが中心になります。
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トレーシングペーパーを使いながら比較してみてくださいね。
50km以下になるはずですので、答えは「ほぼ鉛直」です。
問1(4) 雲域の特徴
問1の(4)です。
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台風の雲域の特徴を確認しましょう。
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解答は50字となかなの文字数なので、中心部分だけでなく、周囲を比較した解答で、まとめる必要があることがわかります。
中心部分だけの特徴だけでは50字には絶対足りないですからね。
では、赤外画像を見てみましょう。
台風は北東から南西に広がっています。
そして相対的に明白色が強く雲頂高度が高いのは中心付近と、北東側。
南西側は相対的にみると暗く雲頂高度が低いですね。
そして、台風の周辺では分厚い発達した対流雲が広がります。
これらをまとめると、「台風中心と南西側は雲頂高度の低い対流雲、北東側は雲頂高度の高い発達した対流雲が多く分布している」となります。
問1(5) 中心からの気温分布の特徴
問1の(5)です。
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台風中心の200km以内を確認してみましょう。
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台風中心から200km以内というのはおよそ赤丸の範囲となります。
この範囲での気温と湿数の特徴を読み取ります。
まず気温から。
台風の中心には大きくWの文字が確認できますね。
これは暖気核を示しており、気温の極大値になります。
その周辺では等温線は込み合っていないため一様です。
つまり、気温の特徴は「中心付近に気温の極大があり、その周辺ではほぼ一様である。」となります。
次に湿数です。
範囲を俯瞰してみると、北東側から南西側にかけて湿数の大きい湿潤域が広がっていることがわかります。
そして、北西側に行くと、湿数が小さく乾燥していますね。
よって乾湿の分布の特徴は「中心の北西側に乾燥域、北東側と南西側では湿潤域が広がる。」となります。
問2
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問2(1) 台風の変化
問2の(1)です。
12時間後から36時間後にかけての台風の変化を読み取っていきましょう。
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12時間後と36時間後の500hPaと地上天気図を並べています。
まず、問2の(1)の①の(a)です。
台風の気圧の変化量を確認してみましょう。
地上天気図を見ると12時間後では1000hPa、36時間後では1000hPaでどちらも同じですね。
変化量は0hPaです。
問2の(1)の①の(b)です。
台風周辺での乾湿の特徴を考えます。
この問題では図6(上)と図8(上)を比較します。
問題文には12時間後からの変化と記載があるので、12時間後と大きく変わっているところを探してみます。
12時間後では台風中心の北東から南西にかけて湿潤域。
一方36時間後ではどうでしょう。
台風中心の南西側では湿潤域が南に偏り、乾燥域が広がっていることがわかります。
北東側はほぼ一様に湿潤域ですね。
これらをまとめると、「台風中心からみて南西側では乾燥域が広がり、北東側は全体が湿潤域となる。」が答えになります。
問2の(1)の①の(c)です。
高相当温位域の形状の特徴を850hPa天気図から確認します。
ぱっと見てわかること。
36時間後の形状は丸いですね。
一方12時間後の形状は平べったく楕円形状となっています。
ということは、「楕円形から円に近いかたちに変化している。」が答えになります。
次に問2の(1)の②の(d)です。
36時間後の台風中心と500hPaでの中心位置を比較します。
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中心位置の傾きはどうでしょう。
地上での台風中心からみて500hPaでの台風中心は南東に移動していることが読み取れますね。
トレーシングペーパーに転記し、定規で測ると、その差は約100km程度はあることがわかります。
よって答えは「南東(東)」。
問2の(1)の②の(e)です。
今度は36時間後での地上中心と高相当温位域との位置関係です。
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図7(下)と図8(下)を比べてみるとどうでしょう。
相当温位の極大値はほぼ地上の台風中心と同じ位置になっていることがわかりますね。
答えは「ほぼ同じ」です。
問2の(1)の②の(f)です。
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500hPa天気図で、地上の台風中心の200km以内の範囲というとおよそ赤丸の範囲になります。
この範囲での気温分布と温度傾度の特徴を見ていきます。
気温についてはWが中心付近に確認でき、気温の極大値があることがわかります。
また温度傾度は等温線は範囲内で込み合っていないため、緩やかですね。
これらをまとめると、「中心(のわずかに南西)付近に極大があり、そこからの温度傾度はゆるやかである。」となります。
問2(2) 温帯低気圧化
問2の(2)です。
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温帯低気圧に変化するときに見られる特徴について考察します。
温帯低気圧になるというのは、冷たい空気と暖かい空気がぶつかり、進行方向前面で暖気が上昇し、後面で寒気が下降する状態のことを指します。
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問題文の選択肢の中で、この状態を表現しているものを選びます。
a、ｃ、e、ｆは気圧の変化もなく、形状の対象性も崩れていないため答えとしてふさわしくありませんんね。
bは南西側で乾燥域、北東側で湿潤域が広がっているというものでした。
この状態となるためには進行方向前面で暖気が上昇、後面で寒気が下降する必要があります。
よって温帯低気圧の特徴を有しているといえますので答えは「ｂ」となります。
問2(3) 全球モデルとメソモデル
問2の(3)です。
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まず、問2の(3)の①です。
全球モデルとメソモデルを比較してみましょう。
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左側が全球モデルで右側がメソモデル。
中心から200kmはおよそ赤丸の範囲内になります。
全球モデルでは中心付近に＋86mmの12時間降水量を確認できます。
メソモデルではどうでしょう。
中心の東側に南北に最大250mmの強い降水域を読み取ることができますね。
メソモデルでは全球モデルに比べ分解能が高いため、細かな降水域の分布も表現することが可能です。
まとめると、「メソモデルでは台風中心の東側に、強い降水域が南北方向に帯状にのびている。」となります。
問2の(3)の②です。
中心気圧は等圧線を読みとることで比較することができます。
全球モデルでの中心気圧は996hPa、メソモデルでの中心気圧は992hPa。
全球モデルにくらべ中心気圧は「低い」です。
996hPaでの領域については実際に定規で測って計算してみてくださいね。
全球モデルにくらべ領域の広さは広くなるはずです。
答えは「広い」です。
問3
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問3(1) 気象衛星画像
問3の(1)です。
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16日9時の台風中心は図9からおそよ北緯26.5°、東経127°の位置とわかります。
これを参考に12時間前からの特徴を確認してみましょう。
初期時刻では中心から北東側にかけて雲頂の高い雲が多く分布していました。
そして12時間後になると、明白色の雲頂高度の高い雲は中心の東側にまとまっていることがわかりますね。
つまり、「雲頂高度の高い対流雲が中心のやや東側にまとまった。」となります。
ちなみにこの「まとまった」という表現は覚えていないと、まず試験で出てこないのでこの機会に解答文を丸々覚えておくようにしましょう。
問3(2) 名瀬の状態曲線
問3の(2)です。
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まず、問3の(2)の①です。
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問題文にある前線性の逆転層というのは冷たい空気の上に暖かい空気が移流する境目に形成される逆転層のことです。
この逆転層のある領域では湿数が小さく雨が降りやすい状態になっていることが考えられます。
図11のエマグラムでは、逆転層と考えられる箇所がいくつかありますが、露点温度が上昇している逆転層とその上下層が湿潤域となっているところの高度を解答すればよいことがわかります。
2つの逆転層の上端の高度は下から900hPaと350hPaです。
温度移流は風向の変化から読み取ります。
900hPa付近では風向が時計回り、350hPa付近では風向が反時計回りに変化していることがわかりますので、それぞれの温度移流は暖気移流と寒気移流となります。
次に、問3の(2)の②です。
まず750hPaから550hPaの風向変化を確認します。
風向はほとんど変化なしですね。
そのため「温度移流はほとんどなし」となります。
次に550hPaから450hPaです。
風向は南西から北西に時計回りに変化しています。
時計回りであれば暖気移流で、方角は東となります。
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答えは「東に暖気が移流している」です。
問3(3) 前線解析
問3の(3)です。
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前線解析の問題です。
ヒントは図6(下)のみ。
まずは等相当温位線の南端にそって線を引いてみましょう。
青線付近が前線になるであろうということは推測できますね。
あとは前線の種類です。
まずオレンジの点線の領域は相対的な低相当温位域が南側にまわりこんできており、高相当温位域が取り残される形になっています。
風向のシアーも明瞭であることからこの領域は閉塞前線であることが考えられます。
次に赤点線ですが、高相当温位域からの移流がはっきりしていて暖気移流となっていますね。
問題文から寒冷前線とつながって西にのびる停滞前線とあることからこの部分は停滞前線と判断でき、その東側には寒冷前線があることがわかります。
また問3の(2)で名瀬の前線の高度を確認しました。
下の前線の高度は900hPaでしたので、地上では名瀬の南側に前線が通ることになります。
地上天気図での気圧の谷の位置とこれらの考察を組み合わせると解答の前線を解析することができます。
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それぞれの前線の記号や特徴は自分なりに理解しておくようにしましょう。
問3(4) 台風の経路
問3の(4)です。
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問3の(4)の①では台風の進路を考えます。
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台風の進路を考えるにあたっては風向と気圧が重要になってきます。
台風の進路の右側では時計回り、東側では反時計回りの風向変化となります。
時系列図を見ると、久米島、名護共、顕著な風向変化のある箇所では時計回りとなっています。
一方で粟国での通過時刻と考えられる10時付近の風向変化では反時計回りです。
つまり、進路は粟国が北、久米島、名護が南に位置するものであることが風向から考えることができます。
それはBかCですね。
次に気圧について見ていきます。
最も海面気圧が低くなるのは名護で990hPaです。
久米島より低いですね。
これは、名護に台風が最も近づいているということを意味しています。
BとCうち、名護に近い進路を選べばよいので、答えはCとなります。
問3の(4)の②です。
風向の時系列と気圧の時系列については①で考えましたね。
まとめると、風向については「粟国は反時計回りの変化で経路の左側、久米島と名護は時計回りの変化で経路の右側と推定されるため。」となります。
また、気圧については「名護は久米島より最低気圧が低く、台風がより近くを通過したと推定されるため。」です。
問3の(4)の③です。
問題文には気圧の時系列を用いてとあります。
つまり最低気圧となっている時刻を読み取ることで答えを導くことができます。
まず久米島は8時30分、名護は11時40分で最低気圧となっていますね。
久米島と名護の距離は120kmでしたので、3時間10分でこの距離を移動したことになります。
5km/h刻みで考えると移動速度＝120/(19/6)≒40kmです。
問3の(4)の④です。
久米島に最も近づいたのは8時30分でしたので、9時では40×0.5＝20km移動したことになります。
また、台風の経路はCを通りますので、16方位で考えると最も近づいた地点から東となります。
問3の(4)の⑤です。
名護で最大瞬間風速を確認した時刻は9時40分。
久米島に台風が最も近づいた時刻から1時間10分経過したときですね。
久米島からの距離＝40×7/6≒50km
つまり名護からの距離は120-50=70kmとなります。
問3の(4)の⑥です。
突風率＝瞬間風速/平均風速で求めることができます。
名護で最大瞬間風速を確認した時刻は9時40分でしたので、そのときの瞬間風速と平均風速はそれぞれ
24m/sと15.5m/s。
突風率＝24/15.5≒1.6(1.5)です。
問3の(4)の⑦です。
最大1時間降水量は棒グラフ6本分が最大となる時刻です。
それは6時50分から7時50分ですね。
これらを足し合わせると、降水量＝12＋17＋18＋20＋17＋16＝100mmとなります。
ここまで計算問題が多いですが、ミスに注意し慎重に解答していくようにしましょう。
問4
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問4(1) 沖縄地方の防災事項
問4の(1)です。
穴埋め問題ですね。
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沖縄地方では16日9時までの前12時間に最大で①86ｍｍの降水量が確認されています。
メソモデルでは橙色の最大②250mmの降水量が予想される地域もありますね。
また、メソモデルの1時間最大降水量に基づくガイダンスによると、1時間に50mm以上の③非常に激しい雨が降り、局地的には1時間に80mm以上の④猛烈な雨が予想されています。
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図1によると沖縄地方(石垣島)では16日には最大平均風速40ノット＝20m/sの⑤非常に強い風が吹く恐れがあり、うねりを伴った高波や強風に注意する必要があります。
問4(2) 大気現象
問4の(2)です。
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(1)の下線部というのは積乱雲の発達に伴い発生する大気現象です。
雷、竜巻、突風から選択することになります。
答えは「雷電、竜巻(等の激しい突風)」です。
まとめ
皆さんお疲れ様でしたー！
今回は台風に関する問題を解いていきました。
台風は時間が経過すると温帯低気圧に変化し、再度発達するというパターンもあります。
台風の問題では特に前問からのつながりが多く出題される印象ですので、１つ間違えると次々に失点してしまうリスクもあります。
問題文や天気図をよく見て正しく解答していくということを心掛けていきましょう。
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