皆さんこんにちは!気象予報士のyoshi.です。
テレビの天気予報でもおなじみの前線。
「西から前線が近づき明日は雨が降るでしょう~」の前線です。
気象予報士が天気図にある赤や青の線を指し示しながら解説しているのを見たことがある方もおられるはずです。
実はあの線って人が判断して書いているってことはご存じでしたでしょうか。
なので考え方によっては人によって位置が異なる場合もあるんですね。
今回の記事ではよく聞くけどよくわからない前線の種類や仕組みについて紹介していきます。
理解できれば普段の天気予報が楽しくなるかも。
気になる方はチェックしてみてくださいね。
気象庁HP
前線
定義は?
まず前線の定義を確認してみましょう。
前線というのは異なる性質をもつ2つの気団が接触したときに生ずる不連続面(前面・前線面)が地上と交わる線のことをいいます。
気団というのは空気の塊のことで、例えば暖かい空気と冷たい空気といった温度差がある空気の塊がぶつかったときに前線ができます。
異なる温度差の空気がぶつかるということは、暖かい空気は上昇することになるので、前線付近では雲ができ雨が降ります。
【5分で読める!】雨とは何か?仕組み・発生メカニズムを図解でわかりやすく解説!
また前線の通過前後では、気温や風向、風速も急激にも変化が。
温度差がちがうのでなんとなく想像できるのではないでしょうか。
でも、どのように変化していくのでしょう。
詳しく説明していきますね。
前線の種類
前線の種類は温暖前線、寒冷前線、停滞前線、閉塞前線と4種類。
地上の前線は立体的な温度差の異なる空気がぶつかることによって作られます。
この立体的に考えるということが気象現象を考える上ではとても重要になります。
今回、前線の理解を深めるため、空気を断面で見た状態、そして、地上に作られる前線をイラストで表現してみましたので参考にしてみてください。
前線記号の向きや形も特徴があり、気象予報士試験では頻出となっていますのでしっかり覚えておくようにしましょう。
温暖前線
温暖前線というのは寒気より暖気の勢力が大きく、寒気を押すように進むときにできる前線のことです。
暖かい空気の勢力がつよいので、前線通過後は気温や湿度の上昇がみられ気圧が下がるのが特徴としてあります。
また風向としては南よりの風が優位に働きます。
前線面の傾きは穏やかで300km程度の広い範囲で降水が見られ、温暖前線形成時は高度の低い主に乱層雲などの雲でしとしと降る雨が特徴的です。

寒冷前線
寒冷前線というのは暖気より寒気の勢力が大きく、寒気が暖気に潜り込むように押しのけて進むときにできる前線のことです。
冷たい空気の勢力がつよいため、通過すると、気温や湿度の下降とともに気圧が上昇することになります。
風向は南よりの風から西から北西の風に変化していきます。
前線面の傾きは急で降水の範囲は数10kmから100kmと狭く、しゅう雨と呼ばれる積乱雲からの激しい雨が降ることが特徴的です。
突風や雷なども伴うため、雨以外にも注意が必要です。

停滞前線
停滞前線は寒気と暖気がほぼ同じくらいの勢力で前線がほとんど動かない状態の前線のことです。
停滞前線付近では地上の等圧線と平行になることがあり、風向も前線にたいしては平行に吹くことが特徴的です。
停滞するため主に乱層雲などから長時間、弱い雨が降り続きます。
停滞前線は季節性が強く6月や9月などに発生しがち。
梅雨前線や秋雨前線という言葉を聞いたことがある方もおられるのではないでしょうか。
これらの前線は停滞前線のことなんですよ。

閉塞前線
閉塞前線は移動速度の速い、寒冷前線が温暖前線に追いついたときにできる前線のことです。
閉塞前線には寒冷型閉塞前線、温暖型閉塞前線と2種類の前線があります。
追いついた寒冷前線が移動する方向の後面の寒気が前面の寒気より強ければ寒冷型。
逆に寒冷前線の後面の寒気が前面の寒気より弱い、つまり暖かければ温暖型閉塞前線となります。
寒冷型では前線の形は「人」のようになり、温暖型では「入」のようになります。
図は寒冷型をイメージしています。
閉塞前線ができるころが温帯低気圧の最盛期となり、そこから徐々に勢力が弱まっていくことになります。
もし温帯低気圧について興味のある方はこちらの記事でくわしく解説していますので確認してみてくださいね。
【5分で読める!】温帯低気圧とは何か?仕組み・前線・天気の変化を図解でわかりやすく解説!

日本で発生しやすい前線
日本では、温暖前線、寒冷前線のほか停滞前線も発生しやすい場所として世界的にも有名です。
その理由の1つに、様々な温度差のある気団がちょうど交差しやすいというのあります。
日本で関係する気団は4つで暖湿な小笠原気団、冷湿なオホーツク海気団、冷乾なシベリア気団、温乾な揚子江気団。
停滞前線ができるときは、小笠原気団(太平洋高気圧)とオホーツク海気団がぶつかるときにできやすくなりますし、寒冷前線はシベリア気団がつよまる冬から春など寒気がつよまる時期に発生しやすくなりますね。
また日本は海に囲まれた地形であり、暖流や寒流で湿った暖気、冷たい空気を供給することで前線が発生しやすくなることにもつながります。
前線の発生には気団や地形がとても大切なポイントになります。
まとめ
ここまで前線の成り立ちや特徴について紹介してきました。
前線は発生する雲や雨、気温の変化なども異なり、私たちの生活に大きな影響を与える気象現象であることがお分かりいただけたかと思います。
天気予報を見るときも、前線の種類や位置を意識するだけで、明日やその先の天気の流れをより正確につかめるようになります。
日々の生活、防災、アウトドアの計画、気象予報士の学習にもぜひ活用してみてくださいね。
【図解付き!】気象予報士実技試験の作図問題を完全対策まとめ(前線解析・等圧線解析)
最後までお読みいただきありがとうございます!


