皆さんこんにちは!気象予報士のyoshi.です。
近年、気象をテーマにした作品や、気象現象をリアルに描いたアニメ・漫画が増えています。
例えば2019年に公開された新海誠監督の「天気の子」。
晴れをテーマに含め、世界が変わっても大切な人を選ぶという賛否両論を巻き起こす興味深い作品でしたね。
ちなみに気象監修はyoshi.も好きな雲研究者の荒木健太郎さん。
ご覧になられた方もおられるのではないでしょうか。
天候は私たちの生活に影響を及ぼすだけでなく、物語の雰囲気や感情の演出に大きな力を持つため、クリエイターにとって非常に魅力的な題材です。
天気の子のように晴れが物語の転機を象徴したり、台風がドラマの緊張感を高めたり、季節の移ろいがキャラの心情変化を表したりなど、気象情報は物語表現の幅を劇的に広げる「演出ツール」として注目されています。
その中で、気象知識を活かしながら漫画を制作できる人材=「気象×漫画クリエーター」が新しい分野として期待されています。
本記事では、漫画クリエーターとは何か、資格はあるのか、活躍できる業界、そして気象と組み合わせたときの可能性について詳しく解説します。

3人の子供たちへ。
気象漫画クリエーター。
天気を題材の1つに含めてマンガを描く仕事だよ。
上手さは置いといて絵をかくのがすきなSには興味のある分野かも。
気象漫画クリエーター
漫画クリエーターとは?
漫画クリエーターとは、漫画作品の企画・ストーリー構成・作画・キャラクターデザインなどを総合的に行うクリエイターの総称です。
一般的には以下の仕事を含みます。
- ストーリーづくり(プロット制作)
- キャラクター設計
- 作画(下書き・ペン入れ・仕上げ)
- 背景や設定の制作
- カラーイラスト制作
- Web漫画・SNS漫画の制作
- 編集者との打ち合わせ・作品調整
- デジタルツール(Clip Studio、Photoshop、AIツール等)を使った制作
近年は、紙媒体だけでなく、YouTube漫画・SNS漫画・企業PR漫画など、活躍の場が大きく広がっています。
試験内容
実は「漫画クリエーター」という国家資格は存在しません。
ただし、スキルを証明したい、仕事を獲得しやすくしたい人向けに、いくつかの民間資格や講座があります。
一例をご紹介します。
漫画クリエーター検定(民間資格)
内容としては、漫画制作の基礎を体系的に学ぶことを目的としています。
資格は義務ではありませんが学習の指針にできるため初心者に人気です。
主な試験内容は以下になります。
①試験内容
- 4コマ漫画のストーリー構成
- 表情・ポーズ描写の基礎
- コマ割りのルール
- 読者心理を意識した演出
- デジタル作画ソフトの操作理解
②認定要領
- オンライン受験が多い
- Web提出型の作品審査が含まれる場合もある
- 合格基準は70%前後の正答率+提出作品の評価
気象×漫画で活かせるスキル
気象知識を持つことで、気象専門の漫画クリエーターとして以下のような強みが生まれます。
リアリティのある天候描写ができる
作品の世界観や説得力に直結させることができます。
漫画クリエーターの中でこのような専門知識を持つ方はほぼおられないので差別化も可能ですね。
気象災害が増える現代では、教育や啓発系の漫画需要も増えていることから防災教育漫画や企業向けの教材漫画の発信も効果的と考えます。
- 雷雲の発達過程
- 台風の進路
- 季節ごとの空の色・雲の形
- 気温や湿度の体感表現
気象をストーリーの「伏線」として活用
漫画を作成する上では、ありきたりな構成よりも「あっ!そうだったのか」という思ってもよらないストーリー展開が面白味を増します。
気象を物語の要素としてとりこむことで、それが実現できる可能性があります。
- 気圧配置がトラブルのきっかけになる
- 突風が事件の手がかりになる
- 快晴・曇天がキャラの心理描写に重なる
気象×漫画クリエーターが活躍できる業界
気象と漫画を組み合わせることで、活躍の幅は想像以上に広がります。
出版・Web漫画業界
まず思いつくのは出版・Web業界ですね。
リアルな天気描写はファンタジー・恋愛・ミステリー・SFなど多ジャンルで武器になります。
積極的に発信していきましょう。
教育・教材業界
気象分野の教材漫画、学校向けの防災学習漫画は常に需要があります。
るるぶの教育漫画などは子供にも人気。
洪水や土砂災害、台風対策などを漫画で説明するプロジェクトも増えつつありますので活躍の場はさらに広がっていくと予想されます。
企業PR(広告漫画)
気象会社、ドローン会社、レジャー産業などで「天候リスクを漫画でわかりやすく解説」という依頼も増加しています。
動画やアニメーションの制作でも漫画クリエーターは絵コンテ、キャラデザイン作成といった分野で強みを発揮できると考えられます。
気象漫画クリエーターの課題
【課題①】制作スピードと負担
漫画制作は時間と労力がかかるため、継続的な制作体力が必要。
1カ月から2カ月はゆうに漫画作成に費やす必要があるため一つのことに集中して取り組む根気も必要です。
また初心者の場合であれば、収益化のためにはSNS運用や、企業案件、Web漫画など複数の収入口を確保しておく必要がありますね。
【課題②】気象の専門性が求められる
気象描写をリアルにするには、基本的な気象学の他、天候パターンや災害リスク気象現象の理解が必要になります。
とはいえ気象予報士資格を有していれば問題ないと考えます。
気象漫画クリエーターの課題
気象×漫画は今、最も伸びる領域のひとつと考えられています。
というのも、気象災害の増加、気候変動への関心の高まりがあり、SNS漫画の需要増加により、「気象を正しく描ける漫画クリエーター」は非常に価値が高い存在になっています。
特に期待される分野は以下の通りです。
防災×漫画の市場拡大
行政・自治体・企業が「災害対策を漫画で伝える」ケースが急増しています。
日本漫画の描写力は世界中で通用しやすく、日本だけでなく海外読者からの評価も高いのが特徴としてあります。
AI作画・プロット補助により個人でも高品質漫画が作れる時代になっていることから、気象を組み合わせうまくアピールできれば大きな収益を得ることも可能です。
教育分野での需要アップ
気象教材を漫画で作る動きが増えています。
教育現場では教員の減少や教育以外の仕事の増加から、しっかり教材研究に時間を当てる時間を確保している先生は少ないのが実態です。
一方で、気象教材を利用した教育というのは、教材作成のサポート役としてますます需要が高まると予想されます。
まとめ
気象×漫画という組み合わせは、まだ発展途上ですが、確実に需要が伸びています。
単に漫画を描くのではなく、天気や気候の知識を作品に組み込むことで、物語の説得力・世界観の深み・教育効果が一気に高まります。
今後は、防災啓発や教育教材、Web漫画、PRコンテンツなど幅広い分野で気象に詳しい漫画クリエーターが求められます。
気象が好き、漫画が好き。
その2つの強みを掛け合わせられる人材は、今後ますます活躍の場が広がっていくことでしょう。
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