皆さんこんにちは!気象予報士のyoshi.です。
今年も暑い夏がやってきますね。
なんでこんな暑いんだと、毎年イライラしている方も多いのではないでしょうか。
地球温暖化。
テレビやSNSなどでも耳にする機会も多くなっているはずです。
一方で、知っているけど、普段から何も気にせず生活しているし、何もしなくてもきっとなんとかなるでしょ。
と思ってる方も中にはおられることでしょう。
実際、日々地球温暖化のことを考えて生活されている方は、ほとんどいないでしょうし、考えなくても生活できているので、頭の片隅にもないかもしれませんね。
でも、地球温暖化って結構やばいんです。
このまま地球温暖化が進むとどうなるのか。
今回の記事では、その危険性についてご紹介していきます。

地球温暖化の原因と今後起こること
地球温暖化とは
地球温暖化というのは人為起源の温室効果ガスによって、地球の平均気温が上昇すること。です。
気温上昇の原因である温室効果ガスというのは水蒸気、二酸化炭素、メタン、一酸化炭素のこと。
この温室効果ガスは太陽からの熱を地球に閉じ込め、そして地球を暖める働きがあり、増加することによりどんどん地球の気温が上昇していくと考えられています。
大気の温室効果の影響は大きい順に6割が水蒸気で、3割が二酸化炭素、その他がメタンや一酸化炭素となります。
ここでちょっと気になった方もおられるかもしれませんね。
水蒸気が温室効果としては一番大きいのでこれ減らせばいいじゃんって。
実は水蒸気の量というのは、大気と海洋、陸の間での蒸発や降水によってきまります。
つまり、人がコントロールしてなんとかできるものではないんですよね。
冒頭に記載した人為起源というのは、人間の活動で発生する温室効果ガスのことです。
二酸化炭素を減らすぞってよく話題になるのは、人間が活動して排出されるガスの中で温室効果がもっとも高いからなんですね。
地球温暖化で何が起こるか
日本の平均気温の推移を見たことはありますでしょうか。
気象庁HP
これは、年間の平均気温を1900年から2020年までプロットしたものです。
これで何がわかるかというと、この100年あたり気温が1.4℃上昇しているということ。
実際この100年の間に、30℃以上の真夏日、35℃以上の猛暑日は増加し、最低気温が0℃未満の冬日は減少しているという事実もあります。
では、これから先はどうなるのか。
2025年時点での最新の情報ではこのまま何もしなければ、なんと2100年には今よりさらに4℃上昇すると予想されています。
4℃という数字を聞いてみなさんどう思われますでしょうか。
ちょっとじゃん。え、結構高いな。
様々かと思います。
では4℃上昇することで何が起きるのか、やばいのかやばくないのか、早速考えていくことにしましょう。

猛暑日の増加
猛暑日というのは最高気温が35℃以上の日のことです。
2024年全国で、猛暑日の日数は62日でした。
約2カ月。
めちゃくちゃ暑くなかったですか。
そして静岡、群馬、埼玉、三重などでは40℃以上の日もありましたね。
この間にどれくらい皆さんは外出されたでしょうか。
きっと暑すぎて外にでられないといった方もおられたはずです。
では、4℃上昇するとどうなるのか。
2025年に気象庁と文部科学省が出した日本の気候変動2025によると、まず猛暑日は2100年ごろには、20日程度増加するといわれています。
つまり、82日。
はい、約3カ月に伸びました。
一年で3カ月は最高気温35℃以上のむちゃくちゃ、暑い日が続くことになります。
熱中症などのリスクも大幅に高まりますので、外出できない日も増えることに間違いはなさそうです。
そして最低気温が25℃以上の熱帯夜の日数は2024年で137日/年。
これが4℃上昇で約40日増加するといわれています。
つまり177日/年。
えっ。!!
そう、一年の半分は熱帯夜です。
昼は暑くて外出したくないし、夜暑くて寝れないし、そのような未来が待っています。

降水の増加
気温が上昇すると、大雨が降る可能性も高まります。
気温が上がると、水蒸気を多く含む空気の対流、大気をかき混ぜようする力が活発になり、雲ができやすくなるためです。
雲ができると雨が降り、局地的に大雨や災害が頻発することになったり、台風の勢力が強まり危険性が増すともいわれています。
【5分で読める!】雨とは何か?降水現象について気象予報士がわかりやすく解説!
気象庁によると、2024年の50mm/h以上の非常に激しい雨が降った回数は350回だそうです。
50mm/h以上の雨というのはどのくらいでしょうか。
傘が役に立たないこれくらいの雨になります。
「1時間に50ミリの雨」の凄まじさ、どれくらいすごいか? | ライフレンジャー トピックス
4℃気温が上昇すると、この回数がなんと3倍増加。
つまり1050回/年。
降水量の最大値も増加する見込みです。
これにより、洪水や土砂崩れなどのリスクも高まることにつながると予想されます。
海面上昇
地球温暖化になると海面が上昇することになります。
それは気温の上昇により海水が膨張し体積が増えるから。
そして氷河や氷床などが融解しその水が海にながれこむからです。
特にグリーンランドの氷床の融解などが、代表的ですね。
では4℃上昇するとどうなるのでしょう。
4℃気温が上昇すると、日本近海の海面水位が今より1m上昇するとのこと。
1mって大したことないじゃん。
と思われた方もおられることでしょう。
はい、今ある9割の日本の砂浜が消滅します。
まず、海水浴はできなくなりますね。
砂浜で遊ぶこともできなくなるでしょう。
また日本の、30%程度の地域では浸水し住めなくなるともいわれています。
今のうちに自分の住んでいる地域の海面からの高さはどれくらいか、見ておいた方がよいかもしれませんね。
農作物への影響
気温が上昇し、猛暑日の増加や、豪雨などの異常気象となると農作物への影響も深刻です。
農作物がうまく育たなくなり、生産量にも影響するはず。
また海水温上昇により生態系の変化ももたらす可能性があります。
漁獲量も減少することになるでしょう。
毎年、果物や野菜や魚の収穫を楽しみにされている方も多いと思います。
今より4℃上昇することを見据て、栽培方法や新たな収穫方法など検討する時期にきているのかもしれませんね。

伝染病の増加
高温になると暑い地域で、発生していた病気が全世界に蔓延することになります。
デング熱やマラリアなど聞いただけでやばそうなウイルスが日本にも到来するかもしれません。
2020年からコロナウイルスにより世界的なパンデミックが発生しましたが、気温が上昇することにより、新たな感染症のリスクを発生させる可能性が高まります。
コロナウイルスに感染された方もおられると思いますが、かかってからでは遅いんですよね。
かかる前に何か対策を打っていきたいところです。
皆さんどうしましょうか?

私たちにできること
ここまで地球温暖化によって、悪くなることはあっても、良くなることはないということがなんとなくわかっていただけたかと思います。
ではこれ以上悪化させないために、私たちには何ができるのでしょうか。
現状をよく知るということが大事
毎年夏頃になると、地球温暖化というワードを耳にする機会も多いと思います。
でも私含め、どこか他人事になっている方は多いのではないでしょうか。
今、なんとかなってるし大丈夫。
2100年にはどうせ私には関係ないし。
日本だけでどうこうできる問題ではないし。中国どうなのよ。
色々な意見があるでしょう。
実際私はどちらかといえば、地球温暖化対策にはあまり意欲的ではありません。
気象予報士なのに。。
でも、もちろん何とかできるなら何とかしたいとは思ってはいますよ。
そう思う背景には、地球温暖化で日本がどうなるのかということを具体的かつ定量的に説明し発信できる方がいないというのがあると考えています。
テレビやSNSなどで抽象的なことを論じて、なんとなくやばそうな雰囲気を醸し出す風潮がありますが、実際どうなるのかわからない方が大勢おられるのではないでしょうか。
家庭の電気を消せばどれだけ温暖化低減に寄与するのか。
1つの工場で節電すればどれだけ温暖化低減に寄与するのか。
交通手段を変えたらどれだけ温暖化低減に寄与するのか。
森林を増やせばどれだけ温暖化低減に寄与するのか。
日本人だけで対策をしたからといって日本の気温上昇は防げるのか。
地球温暖化に全く興味がない方はもちろん、多少興味を持ってる方でさえ、わからないのではないでしょうか。
単純に温室効果ガスである二酸化炭素を減らせば地球温暖化に効果がありそうだなというのは、なんとなくわかります。
でも、今地球又は日本に二酸化炭素はどれだけの量あり、対策をするとどれくらいの量になり、結果気温はどうなるのか。
個々の行動は意味があるのかないのか。
これを、うまくわかりやすく、発信する方がおられない以上は、危機感を持って動いてもらえないはずです。
もし何かするなら皆ベクトルを合わせて一斉にやっていく方がメリットあると思いますしね。
是非、日本を動かす方には頑張っていただきたいと感じます。
そういった意味で、地球温暖化の対策については、まず何かを始めるというより現状をよく知るというのが一番大切なのではないでしょうか。
今後需要増加が期待される気象データアナリストについて大手製造業社員が考察してみたのでご紹介!

まとめ
ここまで地球温暖化について考察してきました。
実は、温室効果ガスというのは地球に全くなければ平均気温は-19℃となり、あることによる恩恵も受けているんですね。
ただ、ありすぎると今度は地球温暖化という困った事態になることになります。
最近、近年の高温は確実に地球温暖化の影響であったというニュースがありました。
人間の活動が地球温暖化に影響しているということは2025年にようやくわかり始めたということです。
地球温暖化については毎年、色々な情報が駆け巡っています。
まずは個々に正しい情報をキャッチして理解していくことが必要になろうかと考えています。
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