皆さんこんにちは!気象予報士のyoshi.です。
最近耳にするようになった、気象データアナリストという職業について皆さんご存じでしょうか。
この記事にたどりついているということは、ご存じの方も多いかもしれませんね。そうです。気象データとITツールを駆使し、ビジネス業界の架け橋として注目されている職業です。
そんな今後活躍が期待される気象データアナリストについて、長年製造業界で働く私が現場目線で考察してみましたので、ご紹介します。
気象データアナリスト
気象データアナリストとは?
気象データアナリストは企業において、ビジネスを新しく作り出したり、課題の解決ができるように、気象データの知識とデータ分析の知識を兼ね備えて、気象データとビジネスデータを分析できる人のことを言います。
例えば、アイスクリームがよく売れるのは暑い日なのか、寒い日なのかとういうのは、アイスクリームを売って利益を得る仕事をしている人にとっては興味のある事柄ですよね。
アイスクリームの種類や売る場所の環境によっても変わってくるとは思いますが、気象データとアイスクリームの販売データなどがあれば、どの季節にどの種類のアイスがどれだけ売れたといったデータを見える化することができるようになります。
そうすると、この時期は売れるのでこれくらいの量を仕入れておいたほうがよさそうだな。とか、この種類はあんまり売れないので、別の種類を売ってみようかな。とかそのデータを用いて考えることができるようになりますよね。
企業はいかに低いコストで高い利益を出すかを常に考えなければいけません。
企業の利益となるよう、それを手助けする人材として気象データアナリストの存在が今後必要になってくると考えられています。

試験内容と認定要領
気象データアナリストになるためには、気象庁が認定している育成講座を受講し、テストやレポートなどそれぞれの講座の評価基準を満たせば合格となります。
2025年現在では以下の講座が認定を受けており、この中から1つ受講する形です。受講にあたり気象予報士などの資格は不要です。
講座では統計学や機械学習、気象データのハンドリングなどを学習し、気象データをどのように活用するかを学ぶことが可能です。
「気象データアナリスト育成講座」の認定講座一覧 | 気象庁
また、一つ一つの講座の値段は30万以上と高額ですが、教育給付金というのを申請すれば、授業料の80%程度が支給される制度もありますので、受講を希望される方は、活用してみることをおすすめします。

講座、高くないですかね。もう少し安くしてください(笑)
活躍が期待できる業界
気象の影響を受ける業種は全体の6割以上と言われており、使い方によって気象データはとてもたくさんの企業に対して有効に活用できます。
どのような業種でどのようなことができるのかご紹介します。
交通業界
気象データを活用し、飛行機や、船舶の安全な航行を計画することが可能になります。これにより最適なルート設定や、航行時間の短縮による燃費向上も期待できます。
エネルギー業界
自然エネルギーを使用する太陽光発電や風力発電では、いかに発電量を最大化するかが課題になります。気象データを用いることで発電量予測を行い、エネルギー供給を安定化させるとともに、コスト低減につなげることができます。
農業業界
農業では気象データを活用して作物の生育の最適化をすることができます。農地への水の供給のタイミングや病害虫の発生リスクの予測を行うことで、収穫量の向上とコスト削減を実現しています。
製造業界
天気予報に応じた商品仕入れ、搬送計画、運転計画などの生産管理における製造プロセスと最適化し、コスト削減や生産性の向上を図ることが期待できます。
保険業界
保険業界では大雨や洪水などのリスク評価を行い、保険商品の設計や価格設定を行っています。気象データからリスクを適切に反映した商品の提案が可能となります。
製造業から見た課題と将来性
私は長年製造業に勤務していますが、気象データアナリストをどのようにとらえているのか、現場の実態として課題と将来性についてお話します。
課題
そもそも知らない
2025年現在で私が働いている大手製造業では、気象データアナリストという職業をしっている人はほぼいません。(ちなみにですが、気象ビジネスフォーラムにも参加経験のある企業です。)
もちろん、中小企業とのかかわりも多くありますが、気象データを活用できている企業を聞いたことも見たこともありませんので、日本の製造業界では大半がその傾向だと考えられます。
気象データアナリストのそもそもの数が少ないというのもありますが、この背景には実際に気象分析を行い仕事をしている人がおらず、その有効性に気付けることができていないというのも実態としてありますね。
気象データアナリストは何か、どんなことができるのかなど、様々な情報媒体などを使い、浸透させていく必要があると感じます。
認知が広がれば、それぞれの企業ないでも広めやすくなるかと思うので、まずは企業に対しての活躍促進や後押しを期待したいですね。
気象に関連したビジネスデータはない
一方で、気象とのかかわりとの必要性については、ほとんどの人が漠然と心のどこかで意識しながら、日々仕事を行っています。
ただ気象データを用いて何をすればよいのか、より効果のあることはどのようなことなのか、人や業務内容よっても考え方はことなるので、この方向性をある程度統一していく必要があります。
また気象に関するビジネスデータもないため、始めるためには分析のデータのベースを作成するところからのスタートになるでしょう。
メリットのある結果を出すために、どんなデータがあれば気象分析に活用できるのか適切に助言を出せる人材も必要になってくると考えらえれます。
ニーズに応じたアウトプットができるか
気象データアナリストとして一番の活躍どころはこの点になるのではないでしょうか。
分析の手法や考え方はわかってもそれを各企業の求めるアプトプットに見える化することはとても大変なことです。
今も経験や勘で仕事をしている事例は多くあり、その状況をいかに正確に抽出できるかは企業で働くかたとの密なコミュニケーションが欠かせません。
また他業種で当たり前に使用される用語や考え方でも製造業では知らないことも多々あります。気象データ講座で学ぶ統計手法などもそうでしょう。
企業との間を取り持ち必要なデータを正しく選択し、企業の求めるニーズにそって分析し初心者でもわかりやすく伝える技術というのは、気象データアナリストには必要になってくる能力だと考えます。
将来性
現場レベルでの活用先事例
製造業の業務も多岐にわたりますので、製造プロセスに沿って、気象データを使用すれば、どんなことができるようになるのか一例をご紹介します。
1.調達業務
・素材入荷時の搬送タイミングの見極め
2.設計業務
・屋外で稼働する製品での気象状況による運転条件の検討
・気象条件に伴う、材料仕様の検討
・地域特性に応じた耐久性のよい製品の開発
3.製造業務
・気象情報を活用することによる製品保管タイミングの見極め
・船舶、陸送での製品運搬時のタイミングの見極め
4.運転業務
・気象情報を活用することによる据え付け・運転タイミングの見極め
・製品稼働時の気象条件の見極め
最後に
ここまで、気象データアナリストという職業についてご紹介してきました。
うまく気象データとビジネスデータを活用することができれば企業にとってはメリットは多くありますので、今後ますます需要も広がってくるもの考えます。
気象データアナリストになってから、企業を勉強していく人や企業で働いている人の中から気象データアナリストになる人など、双方で活躍が広がれば、その仕事をやってみたいと思う人も増えてくるのではないでしょうか。
就職・転職を希望されている方はぜひ、選択肢として考えていただければありがたいですし、この記事を見ている方が気象分析のスペシャリストとして今後活躍することを願っています。
気象予報士資格のある方はこちらでも就職先をご紹介していますのでチェックしてみてくださいね。
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