【5分で読める!】千里の道も一歩から。天気や気象がより面白くなる厳選本8選のご紹介!
問1 地球大気の成分
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
乾燥大気における酸素の容積比は約21%。窒素が78%ですのでそれに次いで多い成分となります。
【5分で読める!】地球の大気とは?大気の成分と構造を図解でわかりやすく解説!
答えは×です。
(b)
窒素、酸素に次いで多い成分はアルゴンで約0.9%で二酸化炭素は約0.03%となります。
窒素、酸素、アルゴンで99.9%以上と覚えておきましょう。
答えは×です。
(c)
成層圏下部には低緯度から高緯度に向かうブリュワードブソン循環という流れがあります。
低緯度の成層圏で作られたオゾンは最終的に高緯度の極に運ばれ蓄積されていくことになります。
北半球では冬の12月から初春の4月ごろで蓄積が最大となります。
答えは×です。
よって解答は⑤です!
問2 持ち上げ凝結高度
気象業務支援センター
ポイント解説
混合比というのは水蒸気の質量(g)/乾燥空気の質量(kg)で表され周りの空気と混合せず気圧や温度が変化しても凝結するまでは一定という特徴がありました。
また、水蒸気の混合比は問題文から620×水蒸気分圧(hPa)/気圧(hPa)と表すこともできますね。
今回はこの数式を使って持ち上げ凝結高度と飽和水蒸気圧を求めていきます。
持ち上げ凝結高度は選択肢として800m、1000m、1200mの3種類。
混合比は12.4g/kgと定義してありますので、この混合比になる持ち上げ凝結高度と飽和水蒸気圧を選択していけばよいんですね。
では、まず800mから。
問題文の表から800mでの気圧は920hPa、また乾燥断熱減率10℃/kmを使うと、800mの気温は26-8=18℃、つまり飽和水蒸気圧は21hPaとわかります。
混合比(持ち上げ凝結高度800m)=620×21/920≒14.15です。
同様に、1000m、1200mについても計算してみると、
混合比(持ち上げ凝結高度1000m)=620×18/900≒12.4。
混合比(持ち上げ凝結高度1000m)≒620×16/880≒11.27。
答えはでましたね。
混合比12.4g/kgとなっているのは持ち上げ凝結高度1000m、飽和水蒸気圧18hPaです。
よって解答は④です!
問題によっては答えの選択肢から解いていくというのも正確な解答を導くコツになりますので、覚えておくようにしましょう。
問3 気柱の温度
気象業務支援センター
ポイント解説
一般的に、密度の高い空気の温度が上昇すると、静力学平衡の式ΔP=-ρRΔTより気圧が低下することになります。
そしてその気圧変化が大きいのは下層に近い領域での温度変化。
そのため気圧の減少が大きいのはBとなりそうですが、気象業務支援センターから問題として適切ではなかった旨発表がありました。
理由は以下です。
「この問題については、高さの低い(密度の高い)層の気温が1℃高い気柱B を正解として9 月6 日に公表していました。
しかし、気柱の一部に温度の違いを与えると、その高度の下では気圧が変化し、同時に密度もその高度と地上までの間で変化するため、地上気圧の違いは温度の違う高さから地上までの範囲の密度の変化を考慮する必要があります。
このため、正解を得るためには高度な数学的計算が必要となり、限られた時間内に正解を得ることは難しい問題となっていました。
実際に、この効果を考慮して計算すると、公表した解答例とは異なり、気柱C の方が気柱B よりも地上気圧が低くなります。」
つまり、計算がとてもしにくい問題設定であり、今回の問題の解答は②のBでなく④のCだったとのことです。
とはいえ、解答を導くには複雑で全て正解としているようです。
よって解答は全て正解です!
問4 冷たい雨
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
氷晶核は水蒸気を凝結させる働きをもつ凝結核よりも数は少ないです。
例えば陸上では凝結核は1010/m3の桁数があるのに対して、氷晶核は-20℃でも103/m3ととても少ない数になります。
答えは〇です。
(b)
氷粒子と過冷却水滴が共存する雲の中では、氷晶に対する飽和水蒸気圧が水面に対する水蒸気圧よりも低いことにより成長が進みやすくなります。
飽和水蒸気圧が小さいということは周りの水滴から水蒸気を吸収してどんどん成長していくというわけです。
答えは〇です。
(c)
氷粒子同士が付着する割合は温度に依存します。温度が高い方が氷どおし付着しやすいことは想像しやすいのではないでしょうか。
答えは×です。
(d)
雪が落下するときは、乾燥している方が雪片として落下しやすいですね。
これは気化昇華といわれ、雪片の一部が昇華するときに、雪片の熱を奪うことで温度の低下が起こるためです。
答えは×です。
よって解答は②です!
問5 太陽放射
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
地球大気は黒体のように完全に全波長を吸収する性質をもちません。
水蒸気や二酸化炭素は赤外線を強く吸収しますし、オゾンは紫外線を吸収します。
一方で可視光はほぼ透過しますよね。
そのため大気への吸収量計算に黒体放射のプランクの法則をそのまま適用することはできません。
答えは×です。
(b)
波長0.3㎛の紫外線は成層圏上部から中部で酸素分子やオゾンに吸収されます。
つまり成層圏界面ではなく、対流圏界面が正しい答えです。
答えは×です。
(c)
地球放射(赤外放射)を最も吸収している気体は水蒸気です。その次が二酸化炭素で、メタンと続きます。
メタンは二酸化炭素より吸収量はかなり少ないですね。
答えは×です。
(d)
大気上端で放射平衡が成り立つとき、上向きの地球放射量I=S0/4(1-α)(S0:太陽定数、α:アルベド)で表されます。
問題文の入射放射量(吸収される太陽エネルギー)とアルベドの積というのは太陽定数をS0とするとS0αですが、実際はS0(1-α)です。
地球の半径をrとして数式を整理すると入射放射量=S0(1-α)×πr2、地球放射量=I×4πr2。
これを等号でつなぐとI=S0/4(1-α)となります。
答えは×です。
よって解答は⑤です!
問6 南北の熱輸送
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
図を見ると、東側が西側にくらべ鉛直方向で見たとき、等圧線の間隔が狭くなっています。
同じ圧力差なのに間隔が狭くなっているということは層の厚さ、層厚が小さいということになります。
層厚は温度に依存しているため、層厚が小さいということは温度が低い、密度の大きい空気が存在しているということになりますね。
答えは〇です。
(b)
北半球中緯度において一様な西風が吹いているとき、温度風の関係から右側を高圧として高度が高くなるにつれ風が強くなるという性質があります。
【5分で読める!】温度風とは何か?仕組みと特徴を図解でわかりやすく解説!
また北半球で波動が加わると、低気圧性循環、つまり反時計回りの循環が発生することになります。
東側の密度の高い空気が南寄りの風(北向き成分をもつ風)で北へ、西側では北よりの風(南向き成分をもつ風)で南へ運ばれることになりますね。
答えは〇です。
(c)
気圧の谷の西側では東側にくらべ層厚が大きいですよね。
これは密度が低く気温の高い空気が運ばれてきていることを意味しています。
答えは×です。
(d)
気圧の谷の西側にある気温の高い暖かい空気は北から南へ、東側にある冷たい空気は南から北へ移動します。
つまり、熱は北から南に輸送されていることになります。
答えは×です。
よって解答は②です!
問7 気温及び気圧の分布
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
傾度風平衡というのは、気圧傾度力がコリオリ力と遠心力の和と釣り合っている状態のことを指します。

答えは〇です。
(b)
中心付近では高温、周辺では低温ということは同じ高度で区切った気圧差で見ると低温側の方が大きくなります。
図は模式的に暖気と寒気を並べていますが、体積の大きくなる暖気の気圧差は寒気に比べて小さくなりますね。

答えは〇です。
(c)
bの図で考えると、同じ高度で見たとき寒気側850hPaに対しては暖気側約900hPa、寒気側500hPaに対して暖気側約800hPaなので、上空の方の圧力差の方が明らかに大きい。
ただ今回の問題は暖気側は低気圧となっており、図のように同じ高度で同じ気圧からのスタートではないということは注意しなければなりません。
同じ高度で暖気側が低圧であれば、そこの差が最大で、上空に向かって小さくなることは想像できるのではないでしょうか。
答えは〇です。
(d)
上空に向かって気圧差が小さくなるということはどういうことでしょうか。
気圧差つまり気圧傾度が大きいと風は強まり、小さければ弱まるんでしたよね。
答えは〇です。
よって解答は①です!
問8 南北鉛直断面
気象業務支援センター
ポイント解説
問題文には北半球における安定な大気の鉛直断面とあります。
安定している大気では、温位は上空に向かって上昇します。
これは乾燥断熱減率より実際の気温減率が小さいため上空に行くほど温位が大きくなるわけですが、赤道と極でも上昇の割合は異なります。
赤道では対流活動が活発で気温減率が大きく、乾燥断熱減率との差が小さいため温位の上昇は穏やかで、極では逆に気温減率が小さいため温位の上昇が急になります。
つまり同じ高度で比べると極の方が温位が大きく、赤道では小さくなるということになり、(a)と(e)が等温位面の図としては正しくなります。
次に等圧面を見てみます。
(a)では温度風の関係から上空で西風が強く、南で層厚も大きく気温の高いため整合がとれています。
(e)ではどうでしょう。
東風となっているということは北側で気温が高くなければなりませんよね。
等圧面では南の層厚が大きいため、南で気温が高い。等温位面による南北の温度差を考慮しても、図では南で気温が高くなります。
よってこの文章は矛盾しているということになります。
ただ気象業務センターの出題意図としては(e)が正解となるよう、北側の気温が高くなるように等温位面の傾きを等圧面より急にしておきたかったとのこと。
問題の図が正しく表現されていなかったようです。
また、図(b)についても平均気温で北と南どちらが高いかを判断することができなかったため、結果として全て正解となりました。
よって解答は全て正解です!
問9 成層圏内の特徴
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
成層圏内の高度30km~50kmでは7月は北極周辺が全球の中で気温が最も高くなります。
答えは高くです。
(b)
東風となりますので成層圏では高気圧循環が生まれます。
答えは高気圧です。
(c)
1月では全球の中で北極周辺の気温が最も低くなります。
答えは低くです。
(d)
極の気温が低いということは右手が高温になるような風が吹きます。
風向は西風となりますので低気圧循環が生まれます。
答えは低気圧です。
(e)
1月では7月にくらべて等高度線は南北に蛇行し、アリューシャン列島付近では高気圧が現れるのが特徴です。
答えは高気圧です。
よって解答は①です!
問10 大気境界層
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
正午ごろの接地境界層は地表面は日中の日射による強い加熱されますが、熱の対流による輸送がまにあわず絶対不安定となります。
つまり、乾燥断熱減率より大きい減率となるため問題文は間違いとなります。
答えは×です。
(b)
接地逆転層は深夜から明け方ごろにかけて放射冷却が継続し、逆転層の厚さが最大となります。
答えは×です。
(c)
対流混合層では気温は乾燥断熱減率で上層にいくほど、下がっています。温位や混合比はほぼ一定。
つまり、混合比層内では上空にいくにつれて相対湿度が増加することになります。
答えは×です。
(d)
正午ごろの接地境界層では風速は上空にむかって上昇しますが、対流混合層ではほぼ一様となります。
答えは〇です。
よって解答は⑤です!
問11 温室効果や気候変動
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
世界の年平均気温は1891年以降の統計で0.74℃/100年と評価されています。
2℃/100年は間違いですね。
答えは×です。
(b)
温室効果の説明は問題文の通りです。
答えは〇です。
(c)
大気中の二酸化炭素の濃度は、2019年に410.5ppmに達しました。
工業化以前のおそよ1.5倍は正しいですが、800ppmは大きすぎです。
答えは×です。
よって解答は④です!
問12 予報業務の許可
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
対象区域は、予報業務の範囲を変更しようとするものになります。
予報業務の範囲を変更するものは気象庁長官の認可を受ける必要がありますので、報告書の提出ではありません。
答えは×です。
(b)
予報業務を行う事業所の名称および所在地は、予報業務計画書への記載事項となります。
変更があった場合は、気象庁長官に変更の報告書を提出する必要があります。
答えは〇です。
(c)
気象庁の警報を受ける方法は、予報業務計画書への記載事項となります。
先ほどと同様、変更があった場合は、気象庁長官に変更の報告書を提出する必要があります。
答えは〇です。
(d)
予報業務の許可を得ているものから利用者に予報事項を伝達するための施設は、予報業務計画書への記載事項としてはいません。
記載事項となっているのは、予報業務のための観測施設や予報資料の収集・解析の施設、気象庁の警報事項を受ける施設ですので混乱しないよう注意が必要です。
答えは×です。
よって解答は③です!
問13 予報業務許可事業者
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
予報業務のうち現象の予想を行う事業所ごとに1日あたりの現象の予想を行う時間に応じて、配置人数が決められています。
8時間以下の場合は2人以上、8時間を超え16時間以下の場合は3人以上、16時間をこえる場合は4人以上です。
問題文の12時間行う場合は3人以上となり、間違いとなります。
答えは×です。
(b)
問題文の通りで予報業務許可事業者は、1.予報事項の内容及び発表の時刻、2.予報事項に関わる現象を行った気象予報士の氏名、3.気象庁の警報事項の利用者への伝達状況の3つの事項を記録し2年間保存しなければなりません。
答えは〇です。
(c)
予報士の設置基準を満足できない場合は、2週間以内に当該基準に適合させるために必要な措置をとらなければなりません。
4週間でなく2週間です。
答えは×です。
よって解答は④です!
問14 用語の定義
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
「気象」とは大気の諸現象のことを指します。
気圧、気温、相対湿度、風、雲などですね。
答えは〇です。
(b)
「観測」とは自然科学的方法による現象の観察及び測定のことを指します。
答えは〇です。
(c)
「予報」とは観測の成果に基づく現象の予想の発表のことを指します。
予想だけでなく、結果を発表することも含むため問題文は間違いとなりますね。
答えは×です。
よって解答は②です!
問15 警報及び特別警報
気象業務支援センター
ポイント解説
(a)
特別警報は予想される現象が特に異常であるため重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合に発表されます。
答えは〇です。
(b)
特別警報の発表を受けた都道府県の機関は、通知された事項を直ちに関係市町村長へ通知しなければなりません。
努めなければならないという努力義務ではなく、しなければならないという義務なので間違いです。
答えは×です。
(c)
気象庁は、気象、津波、高潮および洪水についての水防活動の利用に適合する予報および警報をしなければなりません。
することができるのではなく、しなければならないという義務です。
答えは×です。
(d)
気象庁以外の者は気象、地震動、火山現象、津波、波浪及び洪水の警報をだしてはいけません。
例外として津波に関する気象庁の警報事項を適時に受けることができない状況にある地の市町村長が津波に関する警報を行う場合、国土交通大臣又は都道府県知事が気象庁と共同で洪水に関する警報を行う場合があります。
いずれにしても気象庁長官の許可ではありませんので間違いですね。
答えは×です。
よって解答は③です!
終わったー。皆さん、お疲れさまでした!
最後までお読みいただきありがとうございます!
















