
問1 地球大気の組成
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 対流圏内における乾燥空気に占める
比率は、窒素78%、酸素21%、
アルゴン0.93%、二酸化炭素0.03%の
順となり、アルゴンまでで99.9%以上
になります。答えは〇です。
(b) 分子量とは物質の分子の重さのこと
です。80km以下までの重量比は
窒素75.5%、 酸素23.1%、
アルゴン1.3%、二酸化炭素0.04%と
なり体積比同様一定です。
答えは〇です。
(c) 混合比は乾燥空気に占める水蒸気量の
割合のことで、これが大きくなると
いうことは水蒸気の量が増えることを
意味します。水蒸気は乾燥空気より
分子量は小さいので、空気の平均
分子量は水蒸気が多くなると小さく
なります。答えは×です。
よって解答は②です!
問2 比湿の大小関係
気象業務支援センター
ポイント解説
比湿を比較するためには比湿の計算方法
がわからないと解けませんよね。
比湿は水蒸気の質量g/(乾燥空気の質量g+
水蒸気の質量g)か問題文にある
0.622×e/Pの2種類の計算方法があります。
まずAですが、温度と乾燥空気、水蒸気の
質量が示されています。比湿は水蒸気の
質量g/(乾燥空気の質量g+水蒸気の質量g)で
計算できますので、
比湿A=10/1000=0.001となります。
次にBですが、温度14℃ですので飽和
水蒸気圧は16hPaになります。
飽和水蒸気圧は空気中に水蒸気がこれ以上
入らないときの水蒸気の圧力を表してい
ます。そして相対湿度が75%なので、
水蒸気圧は16×0.75=12hPaです。
気圧が700hPaなので比湿は問題文の数式を
使用すると
比湿B=0.622×12/700=0.011となります。
最後にCですが、露点温度が16℃ですので、
水蒸気圧は18hPaですね。気圧が900hPa
ですので
比湿C=18/900=0.02です。
つまり3つの比湿を比べるとA<B<Cです。
よって解答は①です!
問3 空気塊の温度
気象業務支援センター
ポイント解説
この問題のポイントは「大気はどこでも
気温減率が6℃/km」という点です。
どこでも気温減率が6℃/kmで標高0mが
30℃なら山の向こうのふもとも30℃でしょ。
と思われた方もおられるのではないでしょうか。
でも残念ながらこれは間違いです。
大気の気温減率は6℃/kmですが、微小な
空気塊の気温減率は問題文には記載が
ないんですね。ただし、問題文の最後に
水蒸気の凝結がないと記載があるので
空気塊の気温減率は乾燥断熱減率の
10℃/kmを使用することがわかります。
まずスタート地点の空気塊の気温は
6℃/kmを使うと22.8℃になりますね。
その後は10℃/kmを使用することになり
ますので、ふもとの気温は
22.8℃+12℃=34.8℃となります。
このように問題をよく読まないと、
簡単そうでも間違える問題が気象予報士
試験にはよく出題されますので注意しま
しょうね。
解答は④です!
問4 霧
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 移流霧は暖かい空気が移動して、冷たい
水面に接して生じますので問題文と
逆ですね。一方で蒸気霧は冷たい空気が
移動して暖かい水面に接して生じます。
温泉が蒸気霧と覚えておけば、移流霧は
その反対なので、記憶がしやすいですよ。
答えは×です。
(b) 放射霧の説明は問題文の通りで、地表
付近の空気が冷やされることによって
生じます。地形の影響で冷気がたまり
やすい盆地などで発生しやすくなりま
す。答えは〇です。
(c) 上昇霧は空気が上昇し断熱膨張すること
で気温が下がり発生します。
答えは〇です。
よって解答は③です!
問5 地球の長派放射
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 長波放射は赤外放射とも呼ばれ温室
効果ガスである水蒸気や、二酸化炭素、
オゾンなどによって吸収されます。
酸素分子のような等核2原子分子には
吸収されません。答えは×です。
(b) 大気上端へ入射する太陽放射量は
342W/m2(100)で大気上端から
上向きに出ていく地球放射量は、
235W/m2(70)です。
放射平衡は成り立つはずですが、
出ていく量がすくないですよね。
これは雲やエーロゾル、大気や地表から
反射されるエネルギー量が考慮されて
いないんですね。
反射によるエネルギー量は
107W/m2(30)ですので、合計すると
入ってくる量と出ていく量が平衡し
同じになります。
()で記載しているのは割合なので
覚えておくと便利ですよ。
答えは×です。
(c) この問題は赤外画像の考え方が理解で
きていれば簡単に解くことができます。
雲頂の高い場所から放出される長波
放射量は温度が低いので小さくなり、
明るい画像になります。一方海面付近は
暖かいので温度は高く放射量は大きく
なり、黒く映ります。答えは×です。
よって解答は⑤です!
問6 渦度の鉛直成分
気象業務支援センター
ポイント解説
渦度の鉛直成分を求める問題です。渦度は
反時計回りが正になりますね。回転の
方向の成分のみを抽出すると
Aは5+(-2)+(-5)+2=0
Bは3+(-1)+2+5=9
Cは3+(-1)+1+1=4
つまり、渦度が小さい順にA<C<Bとなります。
よって解答は②です!
問7 鉛直風速
気象業務支援センター
ポイント解説
この問題は直方体が3つに分かれていますが、
下から考えていくとわかりやすいです。
まず一番下の直方体には5m/sの風が入って
きて、4m/sででていきます。つまり、
収束が起きており差分の1m/sは行き場が
なく、面Aに上がっていきます。
次に真ん中の直方体では5m/sの風が入って
きて、3m/sの風がでていきます。
つまり2m/sの風の行き場がなくなります
ので、面Bからでていきます。
ここで面Aには1m/sの上向きの風がある
はずですが、0.5m/sしか出ていないため、
差分の0.5m/sが面Bから出ていると考え
られ、合計すると2.5m/sの風が上向きに
でていることになります。
そして一番上の直方体では4m/sの風が
入ってきて、5m/sの風が出ていっている
ということは下向きに1m/sの風、高さが
2Hありますので2倍の2m/sの風が下向き
に吹くことになります。
つまり面Cからは2.5-2=0.5m/sの風が
上向きに出ていきますね。
よって解答は④です!
問8 東西風の特徴
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 亜熱帯ジェット気流の軸は約200hPa
付近に現れますので500hPaより
もっと上空です。答えは×です。
(b) 12月~2月の冬にあるジェット気流は
北側と南側の温度差が大きいため、
風速が大きくなります。また寒気と
暖気の境にあるジェット気流では
冬場は寒気が強くなり低緯度側に押し
やられることになります。答えは×です。
(c) 寒帯ジェット気流は北緯30~50度付近
に現れ60度より低緯度側に現れます。
答えは×です。
(d) ハドレー循環は緯度30°付近で下降し
戻ってくる循環で、地表近くで中緯度
から低緯度に戻ってくる際地球の自転に
逆らうように風が吹きこれが赤道周辺
では貿易風となり東よりの風になります。
答えは〇です。
よって解答は⑤です!
問9 台風
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 台風の発達には海水からの潜熱の供給と、
積乱雲からの潜熱の放出をエネルギー源と
しています。海水が26℃から27℃以上であれ
ば水蒸気を大量に発生させることができ
台風にとっては発達の好条件となります。
答えは〇です。
(b) 台風中心に向かう動径方向の風の成分は
大気境界層である1~2km付近で最大と
なります。答えは〇です。
(c) 傾度風はコリオリ力に遠心力が加わるため、
気圧傾度力が同じであれば地衡風の方が
風が強くなります。
この考え方は重要なのでよく理解しておい
てくださいね。答えは×です。
よって解答は②です!
問10 温度風の関係
気象業務支援センター
ポイント解説
1月の南半球の成層圏ではオゾンの加熱により
気温が高くなります。A点では温度風の関係
から南半球では左手が高温となるように風が
吹くため東風となります。
その上空のC点では断熱冷却により気温が下が
ります。ここでは西風となりますね。
北半球にあるB点では右手を高温側となるように
風が吹きます。南の方が温度が高いため西風に
なります。
温度風の関係というのは以下のことを指します
のでよく理解しておくようにしましょう。
・平均温度の水平傾度があると気圧傾度が発生
・北半球では、高温部(高圧部)を右側にみて
地衡風(偏西風)が吹く
・気圧傾度は高度とともに大きくなるので、
地衡風も高度とともに増大する
よって解答は①です!
問11 エルニーニョ現象
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) エルニーニョ現象では南米沿岸付近の
海水温が上昇し積乱雲が発生し降水量が
多くなります。逆にインドネシア付近
では降水量が少なくなるんですね。
答えは〇です。
(b) 南米付近は対流が活発になるため、
低気圧となり、インドネシア付近では
高気圧となります。答えは×です。
(c) エルニーニョ現象が発生するときは
貿易風である東風が弱まり、積乱雲の
発生位置が東側に偏ります。
このため南米付近で積乱雲が発生しや
すくなるんですね。答えは×です。
よって解答は③です。
問12 予報業務の許可
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 予報業務の目的又は範囲を変更しようと
するときは気象庁長官の認可を受けなけ
ればなりません。届け出ではありません。
答えは×です。
(b) 問題文の通りで、予報業務の全部または
一部を廃止したときは廃止した日から
30日以内に気象庁長官に届け出なければ
なりません。答えは〇です。
(c) 事業所の名称若しくは住所又は所在地を
変更しようとするときは変更しようと
する2週間前までにその旨を気象庁長官に
届ける必要があります。30日前ではない
ので注意ですね。答えは×です。
よって解答は③です!
問13 気象予報士の設置
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 従事する気象予報士が気象庁長官に届け
出るのではなく、事業所が届け出る必要
がありますので間違いです。
答えは×です。
(b) 8時間以内であれば2人以上、16時間以内
であれば3人以上、16時間を超える時間
であれば4人以上になります。12時間で
あれば3人以上になりますね。
答えは×です。
(c) 欠員の補充は2週間以内に実施する必要が
あります。答えは×です。
よって解答は⑤です!
問14 警報の通知や伝達
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 警報事項については関係市町村長に
通知しなければならないという義務で
はなく、通知するよう努めなければ
ならないという努力義務になります。
答えは×です。
(b) 警報事項については予報業務の許可を
受けた者も同じく、努めなければなら
ないという努力義務となります。
答えは〇です。
(c) 航空機及び船舶の利用に適合する予報
及び警報はしなければならないという
義務です。することができるのではあり
ませんので間違いですね。答えは×です。
(d) 警報事項の通知を受けた国土交通省の
機関は、直ちにその通知された事項を
航空中の航空機に周知させるよう努め
なければならない。という努力義務で
すので周知させなければならないという
義務ではありません。
答えは×です。
よって解答は④です!
問15 災害対策基本法
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 災害対策基本法5条に市町村の責務の
記載があります。答えは〇です。
(b) 第42条の2に地区移住者等は共同して、
市町村防災会議に対し市町村地域防災
計画に地区防災計画を定めることを
提案することができる。この場合に
おいては、当該提案に係る地区防災
計画の素案を添えなければならない。
とあります。答えは〇です。
(c) 第23条に都道府県の地域について災害が
発生し、又は災害が発生するおそれが
ある場合において、防災の推進を図る
ため必要があると認めるときは、都道
府県知事は、都道府県地域防災計画の
定めるところにより、都道府県災害対策
本部を設置することができる。とあります。
答えは〇です。
(d) 第34条に毎年防災基本計画に検討を加え
必要があると認めるときはこれを修正し
なければならないと記載があります。
5年ごとではなく毎年ですね。
答えは×です。
よって解答は④です!
終わったー。皆さん、お疲れさまでした!

