皆さんこんにちは!気象予報士のyoshi.です。
ドローンの活用が急速に広がる中、需要が高まっているのが 「ドローンパイロット(操縦者)(DP)」 です。
物流・点検・農業・防災・撮影など、多くの産業でドローンの存在感が増す一方で、その運用に欠かせないのが“気象の理解”。
風・雨・温度・視程といった気象条件は、ドローンの安全性だけでなく、成果物の品質や業務の効率にも直結します。
本記事では、ドローンパイロット(DP)の仕事内容や将来性について紹介します。
興味がある方はチェックしてみてくださいね。

3人の子供たちへ。
ドローンパイロット。
ラジコンのような乗り物をコントローラーを使ってうまく操縦しながら、空から写真を撮ったり、荷物を運んだり人の役に立つことをする仕事だよ。
こないだヘリのラジコンを壁にぶつけてプロペラを壊したTには難しいかな。
器用さも必要な仕事だね。
ドローンパイロット
ドローンパイロット(DP)とは?
ドローンパイロットとは、無人航空機を安全に飛行させ、目的に応じたデータ・映像・作業成果を得る専門家 のことです。
役割は単純な「操縦」だけではなく、実務の現場ではさまざまなスキルが求められます。
① 飛行計画の策定
まずは飛行計画の作成。
どのような飛行ルートを飛ばすのが最も安全で効率がよいか、飛行時間はどれくらいになるかを検討します。
特に天候判断は最重要で、ミスがそのまま事故に直結しますのでこの工程はとても重要ですね。
- 飛行ルートの設計
- 飛行時間の計算
- 安全管理の策定
- 気象情報の収集と予測
② 安全運航・操縦
飛行計画が策定できたら、その計画にそって実際に操縦を行います。
天気は急変する可能性もあるため、実務の現場では、気象変化を読み取って操作する力が求められます。
- 風の強さに応じた操作調整
- GPS喪失時の手動操縦
- 機体トラブルへの対処
- 予期せぬ突風での姿勢制御
③ データの取得・品質管理
目的地に到達すると、成果物の作成に移ります。
光の角度、太陽の位置、雲量など、気象との関係が非常に深くタイミングも重要になりますね。
- 写真/動画の画質調整
- 測量データの正確性確保
- 農業散布の均一性の管理
④ 点検・報告・許可申請
事前の申請はもちろん、法令に従った対応が実務には求められますので、しっかりとした法令知識も必要です。
また成果物取得後の報告資料作成などもドローンパイロットの大切な役割です。
相手との信頼をつかむためには、自分のデータがニーズにあったした成果となっているか客観的に振り返る姿勢が大切になると考えます。
- 飛行申請(包括申請・個別申請)
- 点検結果レポートの作成
- 機体のメンテナンス
- 航空法や条例の遵守
資格の種類
2022年の制度開始により、国家資格「無人航空機操縦者技能証明」が導入されました。
種類は2種類。
- 一等無人航空機操縦者(1等)
→ 有人地帯での目視外飛行(レベル4)に必要 - 二等無人航空機操縦者(2等)
→ 無人地帯での目視外飛行(レベル3)まで対応
1等は業務の幅が広く、人がいるところにドローンを飛ばすためにはこの資格が必要になります。
将来的に物流などの中核を担う資格です。
資格は 3年ごとに更新 が必要で、適性確認、講習などを受講する必要がありますね。
試験内容の詳細(筆記・実技・気象項目)
無人航空操縦士の資格をとるには、まず登録講習機関で講習を受け、基礎的な知識と技能を身に着けます。
その後指定試験期間が実施する学科試験・実地試験を受験し合格すれば免許が交付される仕組みです。
筆記試験
筆記試験では下記の分野が問われます。
特に 気象 の比重は大きく、実務に直結します。
- 航空法規
- 運航体制
- 安全管理
- 気象
- 機体構造
- 運航リスク管理
気象分野で問われる内容例
ドローンをうまく操縦するためにはそのときの天気を正しく読む力も必要になるため、気象分野の知識は筆記でも実務でも非常に重要です。
- 風の特性(地上風・上空風・乱流)
- 積乱雲の危険性(ダウンバースト・ガストフロント)
- 気温・湿度の影響(バッテリー性能・プロペラ効率)
- 気象情報の集め方(気象庁・レーダー・nowcast)
- 地形による風の変化(ビル風・谷風・山谷風)
実地試験
2等の例では機体を扱い以下のような試験を実施します。
- ホバリング
- 左右・前後・上昇下降
- 8の字飛行
- 経路飛行
- 緊急着陸
- GPSセンサー異常時の操作判断
そして試験官は「気象変化に気づけているか」を見ています。
例えば、
- 風向きの変化
- 機体姿勢のわずかな乱れ
- 上空と地上の風の違い
こうした「小さなサイン」を無視すると事故になります。
DPが活躍できる業界
ドローンパイロットは多くの業界で必要とされています。
特にここでは「気象と密接に関わる領域」を中心に紹介します。
インフラ点検(建物・ダムなど)
インフラ点検はドローン活用がもっとも進んでいる分野で、気象の影響が大きいのが特徴としてあります。
プロは 以下も考慮しながら、1週間先の気象予測から点検スケジュールを組む ほど、天気を注視しなければいけません。
- 風速が強いと被写体がブレる
- 太陽光が強すぎても暗すぎても撮影品質が低下
- 雨でセンサー誤作動の恐れ
- 太陽光パネルは光の角度でサーモ結果が変わる
農業(農薬散布・生育観察)
農業用ドローンは、近年最も増えている応用分野で気象との関わりはとても強いです。
気象が薬剤などの散布効果に左右されますし、風をうまく読まないと適切に散布することが難しくなるのは想像できますよね。
農家さんからすると、気象を理解しているパイロットは信頼度が段違い ですね。
- 風速3〜5m/s以上 → 薬剤が流される
- 気温が高い → 薬剤が揮発
- 湿度が高い → ドローンの重量が増える
- 雨前後 → 薬効が弱まる
災害・防災(捜索・被害調査)
災害現場こそ、ドローンの力が発揮される分野です。
しかし、ほとんどが 悪天候とセットで発生 します。
このため、防災の現場でも「気象を理解できるパイロット」が特に重宝される という特徴があります。
- 暴風地域は飛行不可
- 火事現場は上昇気流・乱流発生
- 大雨や濃霧で視程悪化
- 積乱雲接近時は突風で危険
空撮(映像作品・観光PR・企業PV)
空撮は、天気と光の質によって仕上がりが全く変わります。
良い映像を撮るためには気象の読みとタイミングが命 と言っても過言ではありません。
- 雲が多い → コントラスト低下
- 直射日光 → 白とび
- 朝夕の太陽角度 → ゴールデンアワーの演出
- 風の強さ → 映像の揺れ
物流(ドローン配送)
ドローン配送の基盤となるのは「風」と「バッテリー性能」です。
物流は未来の大市場ですが、気象制御・風予測AI の発展が不可欠な分野です。
- 荷物が重くなるほど風に弱くなる
- 気温が低い → バッテリーが消耗
- 高温 → 機体がオーバーヒート
DPの課題と将来性
【課題①】気象リスクが大きい
ドローンは軽量であるため、風や温度に非常に弱い乗り物です。
特に危険なのは以下のような気象リスクです。
- ビル風(強風の乱れ)
- 山岳地帯のダウンバースト
- 積乱雲接近時の突風
- 夕立前のガストフロント
- 海風が強まる午後の時間帯
これらは数分単位で急変するため、高度な判断力が要求されます。
【課題②】気象知識を持つパイロット不足
資格制度で「気象」が正式に試験項目に入りましたが、実務で本当に使えるレベルの気象知識を持つ人はまだ少数です。
風が読めない、積乱雲の危険性を理解していない、地形風の知識が不足している、レーダー情報の使い方があいまいなど知識不足からくる事故が後を絶ちません。
つまり、気象に強いパイロット=市場価値が非常に高い と言えますね。
【課題③】法整備・技術差の大きさ
国としての法整備や、地域ごとでの認知度、技術者のレベルにもばらつきがあるというのは現状でこれを均一化していくことは今後の課題となると考えます。
気象を含む運航基準の統一も必要ですね。
- 自動航行はまだ発展途上
- 業界ごとの安全基準がばらばら
- 技術者の経験値に差がある
- 地方では講習機会が少ない
【将来性】気象とドローンの融合が急加速
ドローンの未来は、間違いなく「気象」と深く結びついており、今後進むと予想される技術には以下のようなものがあります。
つまり、「気象を理解できるパイロット」から「気象データを活用できるパイロット」へ進化する時代 が迫っています。
物流・点検・防災・農業のすべてで、気象の重要性はさらに高まることが予想されますね。
- 小規模エリアの風予測AI
- ドローンによる気象観測(気温・湿度・風)
- 気象モデルへのリアルタイム反映
- 自動航路生成システム
まとめ
ドローンパイロットは、急成長する市場の中で非常に需要が高まっている職業と考えられています。
その中でも、気象を理解し、風や突風、雲の変化、気温・湿度などの影響を読み取れるパイロットは「プロ」として評価され、各分野から重宝されます。
国家資格制度が始まり、今後はさらに市場が整備されると同時に、気象リテラシーの高いパイロットの価値はますます高まる でしょう。
興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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