
問1 地上気象観測
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 霧は水平視程が1km未満、もやは
1km以上10km未満になっている
状態を指します。答えは〇です。
(b) 地ふぶきはすでに降り積もった雪が
強い風で上空に吹き上げられる現象を
いいます。雪が降ると同時に吹き上げ
られるわけではないので間違いです。
答えは×です。
(c) 凍雨は球形の透明な氷の粒が降る気象
現象です。雨粒や解けかけの雪が落下
の途中で再び凍ったっものを指します。
ちなみに過冷却の水滴が地面などに
あたると凍る現象は接触凍結と呼ばれ
ますね。答えは×です。
(d) 霜は空気中に含まれていた水蒸気が
冷やされて氷の結晶となり地面や葉の
表面にくっついたものです。地中に
含まれる水分が氷の結晶となり地面に
析出したものは霜柱とよばれ霜とは
ことなる現象です。答えは×です。
よって解答は③です!
問2 高層気象観測
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) GPSゾンデによる観測では、気圧計は
搭載しておらず上空の気圧はGPSの
測位情報をもとに気温・湿度や地上
気圧を用いて気圧を求めます。
答えは〇です。
(b) 風向・風速はGPS信号を利用して地上に
情報を伝えます。直接観測しているわけ
ではないので間違いです。答えは×です。
(c) ウィンドプロファイラは上空に向けて
電波を発射し散乱され戻ってくる周波
数の違いから大気の動きをとらえてい
ます。乾燥していると散乱するものが
少ないため、電波は弱くなります。
答えは〇です。
(d) ウィンドプロファイラは上空の風を
高度300m毎に10分間隔で観測して
いますので、500m毎に20分という
のは間違いになりますね。
答えは×です。
よって解答は③です!
問3 二重偏波気象ドップラーレーダー
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 電波が反射されてから戻ってくるまでの
経路上に強い降水がある場合は電波が
減衰してしまい、実際の降水より弱い
エコーが観測されることがあります。
障害物があると電波が弱まると考えると
イメージしやすいですね。答えは〇です。
(b) 水平偏波と垂直偏波の反射派の位相差を
用いることにより、従来の気象ドップ
ラーレーダー(単偏波レーダー)より
正確に推定することが可能です。
答えは〇です。
気象庁HP
(c) 振幅の比から降水粒子の形状や種別を
推定することが可能です。例えば丸い
場合はあられやひょう、扁平の場合は
雨滴などです。答えは〇です。
気象庁HP
よって解答は①です!
問4 数値予報
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 予測可能な現象の水平スケールは格子
間隔の5~8倍と言われています。
局地モデルでは格子間隔が2km、全球
モデルでは13kmですので、格子間隔が
小さいと、水平スケールの下限も小さく
なります。答えは〇です。
気象庁HP
(b) 積乱雲のような小さな規模の擾乱は
非静力学モデルを使用するため、
プリミティブモデルではありません。
答えは×です。
(c) パラメタリゼーションを扱うことは大切
ですが、地面からの蒸発や日射による
地面の加熱ではなく、積雲対流での熱や
水蒸気、運動量の鉛直方向の分配が
重要になってきます。答えは×です。
気象庁HP
よって解答は③です!
問5 客観解析
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 観測地点のデータの中には観測機器の
故障による異常値のデータであったり、
人為的なミスによる誤データが含まれ
る場合があり、これらは品質管理で
取り除く必要があります。客観解析には
使用されません。答えは〇です。
(b) 気温や風などの観測データは第一推定値と
比較されて、著しく差がある場合には
除去されます。答えは〇です。
気象庁HP
(c) いくら精度が高くても、観測値そのものを
解析値として利用することはありません。
必ず第一推定値と観測値を比較しながら
適切な解析値を決めていきます。
答えは×です。
よって解答は②です!
問6 メソアンサンブル予報
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) アンサンブル平均は各メンバーの
予測値が平滑化されるため、強雨の
分布や最大降水量などの局地的な
現象をとらえるのには適していません。
答えは〇です。
(b) メソアンサンブルガイダンスは各アン
サンブルメンバーに対してメソモデル
ガイダンスと同じ手法を適用して作成
しています。メソアンサンブル
ガイダンスは確率論的な予測結果を得ら
れるため、気象現象の発生の可能性を
とらえることができるのが特徴です。
答えは〇です。
(c) アンサンブル平均は少しづつ異なる初期値を
使用して数値予報をした複数のアンサン
ブルメンバーを平均したものです。単独の
メソモデルから作成したガイダンスに
くらべ、様々なシナリオを考慮できるアン
サンブル平均の方が精度が高いといわれて
いますので問題文は間違いになります。
答えは×です。
よって解答は②です!
問7 解析積雪深・降雪短時間予報
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 解析積雪深はアメダスの積雪深計の
観測値で補正した上で1時間ごとに
約5km四方の平均的な値として作成
されています。答えは〇です。
(b) 解析積雪深や降雪短時間予報では以下
のような場合解析・予報の精度が低下
する可能性があります。答えは〇です。
気象庁HP
(c) 問題文の通りで、積雪量は1時間毎の
増加量を表し、減少が予測される場合は
0となります。答えは〇です。
(d) (b)の注意事項の記載のとおり、上空に
暖かい空気が入っているときは雪が解け
てしまう可能性があるため、予報の精度
が低下する可能性があります。
答えは〇です。
解析積雪深・解析降雪量、降雪短時間予報 | 気象庁
よって解答は⑤です!
問8 気象衛星画像
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) トランスバースラインは流れの方向に
ほぼ直角な走向をもつ小さな波状の
雲列で、ジェット気流などの強風軸に
対応しています。答えは〇です。
(b) にんじん雲は風上側から風下側に
広がった発達した積乱雲の雲列と上層風
にながされる、かなとこ雲によって構成
されています。とくに穂先部分では
豪雨や突風、降ひょうなどの現象が
発生しやすいです。答えは〇です。
(c) 雲が存在しているのであれば、可視画像の
方に明暗が確認できるはずで、それが
見られないということは海水温の差で
あることが言えますね。答えは〇です。
(d) 画像から山脈による波状雲であることは、
山脈にほぼ直向しているという点からも
判断ができますが、特徴としてかなり
厚い層にわたり絶対安定となります。
不安定な成層状態ではないので間違いですね。
答えは×です。
よって解答は④です!
問9 梅雨期の気象
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 梅雨前線の水蒸気の輸送は、太平洋高気
圧からくる南寄りの風とチベット高原の
西よりの気流が影響しています。
答えは〇です。
(b) 梅雨前線は等相当温位線集中帯の南側に
解析されます。実技試験でも出題される
こともありますので覚えておくように
しましょう。答えは〇です。
(c) 梅雨前線近傍における集中豪雨発生時
には下層ジェットと呼ばれる強い風が
観測されることがあります。この生成・
維持は積乱対流による垂直輸送と考え
られています。答えは〇です。
(d) 梅雨前線上に発生する低気圧は背が低い
ことが特徴で700hPaでは確認できること
はあっても、500hPaでは低気圧や低気圧
性循環が不明瞭になります。答えは×です。
よって解答は①です!
問10 台風の特徴
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 台風中心に近い下層では中心に向かう
反時計回りの気流が生じ、その収束の
よる上昇流が積乱雲を組織化して眼の
壁雲を形成しています。答えは〇です。
(b) 台風は一般的に26℃~27℃以上で温度が
高いと水蒸気の供給量も多くなりますので、
発達しやすくなります。海水面の表面の
水温が高い場合は攪拌され温度がさがり
ますので、台風の発達は抑制されます。
答えは〇です。
(c) 台風が中緯度付近で日本を北上していくと
北からの寒気が台風の中心付近に向かって
流れ込み温帯低気圧化が進むことで台風の
暖気核が失われ、軸対称が崩れます。
水蒸気を供給できる条件があったとしても
軸対称を維持するのは難しいといえます。
答えは×です。
よって解答は②です!
問11 ダウンバースト
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 問題文の通りで、ダウンバーストは
積乱雲から生じる下降気流が地表に
達し、突風となって水平に吹きだして
広がる現象のことを指します。円形
あるいは楕円形に広がることが特徴です。
答えは〇です。
(b) ダウンバーストの広がりは数kmに
およぶ場合もありますので、問題文は
間違いです。答えは×です。
(c) 雲底下の空気が乾燥していると下降気流が
強まりますので強いダウンバーストが
起こりやすくなります。答えは×です。
(d) ダウンバーストの突風の強さは藤田
スケールがもちられています。
答えは〇です。
よって解答は③です!
問12 全球アンサンブル予報
気象業務支援センター
ポイント解説
図Iと同じ時刻の組み合わせを考える問題です。
図Iを見ると日本付近に低気圧が広い範囲に
覆われています。ということは500hPaでは
この低気圧の発達を維持するよう緯度10度
前後の後面にトラフが存在している可能性が
あります。該当するのは図Cになります。
そして850hPa面では相当温位線が記載されて
おり、等相当温位線集中帯の南側に前線が
あることを考えると、そのとがった部分が
温暖・寒冷前線の境界になるはずです。
その箇所と地上低気圧の中心付近に近い図が
図Iと同じ時刻の850hPa面であると考えらえ
ますので図アが近いですね。
よって「C、ア」が答えになります。
解答は④です!
問13 雷の有無
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 実況の分割表から適中率を求めます。
適中率=24/30=0.8ですね。
答えは〇です。
(b) 適中率もですが、空振り率、バイアス
スコア、スレットスコアはそれぞれ以下の
計算式で求めることができます。
よく出題されますので全て覚えておく
ようにしましょうね。
①空振り率
ある現象がおきると予想したけど起きな
かったとき場合を予想回数で割った割合
空振り率=4/30
②バイアススコア
実況の合計回数に対する予報の合計回数の
比です。
バイアススコア=6/4=1.2
③スレットスコア
発生することの少ない現象の的中率を
評価する方法
スレットスコア=2/8=0.25
答えはスレットスコアですね。
(c) 雷のような発生頻度を評価する方法は
適中率よりもスレットスコアの方が
有効です。
答えは発生頻度が低いです。
よって解答は⑤です!
問14 大雨に関する防災気象情報
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 大雨特別警報(土砂災害)は土壌雨量指数
の基準値以上となる1km格子が10個以上
まとまって出現すると予想され、かつ激し
い雨がさらに降り続くと予想される場合に
発表されます。1格子以上出現または予想
される場合ではないので間違いです。
答えは×です。
(b) 顕著な大雨に関する気象情報は警戒レベル4
相当以上で発表されます。答えは〇です。
気象業務支援センター
(c) 記録的短時間大雨情報は数年に一度しか
起こらないような短時間の大雨を地上の
雨量計によって観測したり、気象レーダー
と雨量計を組み合わせた分析したときに
発表します。予測で判断しているわけで
はないので間違いです。答えは×です。
よって解答は④です!
問15 日本の季節予報
気象業務支援センター
ポイント解説
(a) 冬季に500hPaで同心円状になっている
とうことは極渦が卓越しており偏西風が
強く寒気を閉じ込める形になっています。
これを正の北極振動といい、中緯度との
気圧差も大きくなり日本付近は暖冬と
なります。しかし北極域は寒気を閉じ
込めている状態ですので、高度は低く
なりますので問題文は間違いになります。
答えは×です。
(b) 一般的に冬季の地上気圧場は西高東低に
なり、アリューシャン列島付近の気圧は
低気圧となります。これが平年より高気圧
となり弱まっているということは、冬型が
弱まり寒気の流れ込みも弱くなります。
答えは×です。
(c) フィリピン付近での対流活動が活発という
ことはラニーニャ現象が発生しているという
ことになりますね。ラニーニャ現象が発生する
と太平洋高気圧が日本に張り出し気温が
高くなる傾向があります。また沖縄や奄美
では湿った空気の影響を受けて降水量が多く
なるのも特徴です。答えは×です。
気象庁HP ラニーニャ現象が日本の天候へ影響を及ぼすメカニズム
(d) オホーツク海上上空にブロッキング高気圧
が現れるときはオホーツク海高気圧が発生
し冷たい湿った空気が流れ込みやすくなり、
北日本を中心に冷夏になります。
オホーツク海高気圧は背が低く、沿岸地方
を中心として曇りや雨、低温となり農作物
にも大きな影響を与えるやませ発生の原因
にもなっています。答えは〇です。
よって解答は⑤です!
終わったー。皆さん、お疲れさまでした!
