【過去問丸ごと解説!】第66回 気象予報士試験 専門知識

第66回専門知識 専門知識(11点以上)

第66回気象予報士試験・専門知識の過去問解説です。(合格基準10点以上)

解答だけでなく、「なぜその選択肢が正解・不正解になるのか」まで整理しています。

過去問演習で理解度を確認しながら、自分の現在地もチェックしてみましょう。

問1 推定気象分布

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
推計気象分布とは、観測所がない場所も含めて、天気や気温などの分布を推定した情報のことです。

例えば、町に気温の観測所が1か所しかなくても、周辺の山や海沿いまで同じ気温とは限りませんよね。

そこで、観測データや地形などを使って、面的な分布を求めることになります。

aの問題では、約1km四方の細かさという部分は正しいですが、更新間隔が違います。

空間の細かさは約1km四方で更新間隔は1時間ごとです。

答えは×です。

(b)
レーダーは、雨粒以外のものから返ってきた電波を捉えることがあります。

これが非降水エコー。

品質管理をしても、誤った情報を完全には取り除けません。

そのため、実際には降っていない場所が雨や雪と表示される場合があります。

答えは×です。

(c)
一般に、山の上ほど気温は低くなります。

そのため、近くのアメダスの気温を、そのまま周囲すべてに当てはめるわけにはいきません。

観測値に加えて、メッシュ平年値などを利用し、標高による違いも考慮して推計します。

答えは〇です。


よって解答は⑤です!

問2 ラジオゾンデ

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
ラジオゾンデは、気球につるして飛ばす観測装置です。

上昇しながら気温・湿度などを測り、電波で地上に送ります。

例えば、上空に向かって気温が順調に下がっていたのに、途中から上がる層があるとします。

この変化を表すには、曲がり角に当たる観測点が重要です。

そうした点を選び、少ない点でも気温・湿度の鉛直分布を適切に再現できるようにします。

特異点は、測定ミスの点という意味ではありませんのでご注意を。

答えは〇です。

(b)
国内の観測所だけでなく、気象庁の海洋気象観測船や南極昭和基地でも、ラジオゾンデ観測が行われています。

海上など観測の少ない場所のデータは、数値予報にとって貴重です。

答えは〇です。

(c)
ラジオゾンデは高度約30kmまで上昇するため、対流圏界面を超えて成層圏内を観測できます。

しかし、成層圏界面は約50km。

問題文のまれに成層圏界面を超えるという記述は誤りですね。

答えは×です。


よって解答は②です!

問3 観測機器

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
ドップラーレーダーは雨や雪による電波の反射から降水の強さを求めます。

また、反射波の周波数の変化から、雨粒などが近づく・遠ざかる速度も分かります。

答えはアです。

(b)
地上マイクロ波放射計は水蒸気などが放つマイクロ波を測り、上空の水蒸気量などを推定します。

自分から電波を出すレーダーとは異なり、基本的には受信する装置です。

答えはウです。

(c)
シーロメーターは上向きに光を出し、雲から戻るまでの時間から、雲の底までの距離を測ります。

答えはオです。

(d)
ドップラーライダーは空気中の細かな粒子の動きを利用し、雨が降っていないときの風も観測します。

答えはエです。


よって解答は②です!

問4 全球モデルとメソモデル

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
数値予報モデルとは、大気を細かなマス目に分け、物理法則に従って将来の状態を計算する仕組みです。

全球モデルの水平格子間隔は約13kmです。

ところが、積雲や小さな乱流は、そのマス目より小さく、一つひとつを十分に表現できません。

そこで、例えば積雲によって熱や水蒸気がどれくらい上に運ばれるかという全体としての効果を計算式で表現します。

これがパラメタリゼーションです。

答えは〇です。

(b)
メソモデルは5km格子で、日本付近の大雨や暴風などを予測します。

「非静力学モデル」とは、簡単にいうと、鉛直方向の空気の加速も考慮し、上昇流・下降流を運動方程式から計算するモデルです。

3日程度先までの災害をもたらす現象の予測を主な目的としています。

答えは〇です。

(c)
メソモデルが計算するのは、地球全体の一部分です。

その外側の情報は、全球モデルから受け取ります。

時間がたつほど、領域外から空気や気象の変化が入ってきます。

そのため、全球モデルの影響が小さくなるという説明は逆です。

答えは×です。


よって解答は②です!

問5 アンサンブル予報

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
アンサンブル予報は、条件を少しずつ変えて、複数の未来を計算する方法です。

例えば、1つの予測では大雨が出なくても、複数の予測の中に大雨を示すものがあれば、大雨になる可能性もあると判断できます。

ただし、複数計算すれば、どんな現象でも予測できるわけではありません。

答えは〇です。

(b)
コントロールランは、最も妥当と考えられる初期値に、人工的なずれを加えず計算した予測です。

他のメンバーには不確かさを表すずれを加えるため、個々の予測を統計的に比較すると、コントロールランに劣ります。

もちろん、ある事例では特定のメンバーの方が当たることもあります。

答えは〇です。

(c)
不確かさには、計算を始める時点の気温・湿度・風などが実際の大気と完全には一致しない「初期値の不確かさ」や、計算領域の外側から与えられる気温・湿度・風などに誤差がある「側面境界値の不確かさ」があります。

メソアンサンブル予報では、これらに加え、雲や放射などの計算方法が現実を完全には再現できない「物理過程に由来する不確かさ」も、摂動(計算に加える小さなずれ)で表現します。

答えは〇です。


よって解答は①です!

問6 天気予報ガイダンス

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
ガイダンスとは、数値予報の結果を統計的に補正・加工し、天気予報に使いやすくした資料のことです。

例えば、あるモデルに次の癖があるとします。

  • 翌朝は気温を1℃低く予測しやすい
  • 翌昼は気温を2℃高く予測しやすい

こうした時間ごとの系統誤差も学習して補正できます。

答えは〇です。

(b)
カルマンフィルタは、新たな観測結果を使って予測式を更新する手法です。

ただし、局地的な大雨のように発生回数が少ない現象では、十分な事例を学びにくくなります。

また、大雨の場所自体がずれている場合など、統計補正だけでは直せない誤差もあります。

答えは×です。

(c)
ニューラルネットワークは複雑な関係を表現できる一方、内部の処理も複雑です。

そのため、「なぜこの値になったのか」を、人が簡単に説明できるとは限りません。

答えは×です。


よって解答は③です!

問7 気象衛星画像

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
冷たい空気が暖かい海の上に流れ出すと、海から熱や水蒸気を受け取ります。

下から暖められて対流が起こり、風に沿って雲が筋状に並びます。

冬の日本海でよく見られる雲と同じ仕組みです。

答えは〇です。

(b)
可視画像だけでは、低い雲も高い雲も白く見えます。

赤外画像を併用すると、Bの南側は比較的暗く、北側は明るいため、南側は低い雲、北側はより高い雲と判断できます。

答えは〇です。

(c)
前線に伴う雲は、地上前線の真上だけにできるわけではありません。

暖かい空気が冷たい空気の上を斜めにはい上がるため、北半球のこのような前線帯では、雲域が地上前線より北側に広がることがあります。

そのため、地上前線は、雲帯の中央をなぞって決めるものではなく、Cより南側を考える必要があります。

答えは×です。

(d)
空気が下降すると圧縮されて暖まり、相対湿度が下がります。

中・上層が乾燥し、水蒸気画像では暗く見えます。

答えは〇です。


よって解答は③です!

問8 秋雨前線

気象業務支援センター

ポイント解説
(1)
500hPaの主要なトラフは、まだ日本の西側にあります。

850hPa図Bでは、北海道付近と沖縄付近は高気圧の影響を受け、本州付近には湿った領域が広がっています。

そのため、北海道や沖縄は晴れ、本州付近は曇りや雨という「ウ」が対応します。

答えはウです。

(2)
トラフが近づくと、その前面で南から暖かい空気が入りやすくなります。

850hPa図Cは、本州付近まで暖かい空気が入り、前線帯が北上した状態に対応します。

関東では前線の南側に入り、晴れ間と昇温が生じたと考えられます。

その後、トラフの東進に伴って前線が南下します。

答えはアです。

(c)
トラフがさらに東へ進み、下層の冷たい空気が南下します。

850hPa図Aでは、前日より低温の空気が本州側へ広がり、前線帯も南へ移っています。

関東で日中から夜に気温が下がる「イ」に対応します。

なお、850hPaの前線帯は地上前線と完全に同じ位置ではありません。

温度分布・風向・湿潤域を合わせて判断することが必要ですね。

答えはイです。


よって解答は④です!

問9 ポーラロウ

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
ポーラーロウは、寒気の中で発生する、比較的小さな低気圧です。

冬の日本海に強い寒気が流れ込むと、海面から熱と水蒸気が供給されます。

上空は冷たく、下層は海に暖められるため、大気が不安定になり、対流雲を伴う小さな低気圧が発生することがあります。

答えは〇です。

(b)
雲はコンマ状や渦状になることがあります。

中心に眼を伴う場合、中心付近の下降流による昇温などで、眼の中が周囲より暖かくなることがあります。

ただし、すべてのポーラーロウに明瞭な眼があるわけではありません。

答えは〇です。

(c)
温帯低気圧より小さく、明瞭な前線を伴わない場合が多いものの、発達した積乱雲によって、強風・突風・大雪が起こることがあります。

答えは〇です。


よって解答は①です!

問10 台風の特徴

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
鉛直シアーとは、高さによる風向・風速の違いです。

上と下で風が大きく違うと、台風の雲や暖かい中心構造が傾き、まとまりにくくなります。

台風は、中心付近に積乱雲と熱を集めながら発達するため、一般に鉛直シアーが弱い方が好都合です。

答えは×です。

(b)
強風が同じ海域に長時間吹くと、海水がかき混ぜられ、下にある冷たい水が表面に出やすくなります。

さらに、深い所から冷たい水が湧き上がることもあります。

その結果、海面水温が低下します。

これは台風への熱・水蒸気の供給を弱める方向に働きます。

答えは〇です。

(c)
風が海水を海岸へ押し寄せる現象の説明は正しいですが、風速に比例とうのが誤りです。

吹き寄せによる海面上昇量は風速の2乗に比例します。

他の条件が同じなら、風速が2倍になると、効果はおおむね4倍です。

答えは×です。


よって解答は⑤です!

問11 解析積雪深・降雪量

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
積雪計は、全国のあらゆる場所にあるわけではありません。

そこで、気象データとモデルを組み合わせて、面的な積雪・降雪の状況を求めます。

答えは〇です。

(b)
解析積雪深の計算の大まかな流れは、

  1. 降水量や気温などから、雪の増減を計算する
  2. 実際の積雪計の値と比較する
  3. 観測値を使って補正する

というものです。

答えは〇です。

(c)
雪は、降り積もった後も同じ厚さのままではありません。

自分の重さなどで締まり、厚さが減っていきます。

積雪変質モデルでは、新たに積もる雪、融ける雪に加えて、こうした沈み込みも考慮します。

答えは×です。

(d)
解析積雪深・解析降雪量の精度が低下する要因としては、強風時に雪が吹き払われたり、吹きだまりになったりすること、地上気温が1~3℃前後で 雨になるか雪になるかが微妙、上空に暖気があり落下途中で雪が融ける場合があることなどがあります。

答えは〇です。


よって解答は②です!

問12 予報精度の検証

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
夏日になったのは、2日~10日の9日間です。

誤差を予報-実測とすると、X社の誤差は次のようになります。

ME=(1-1-1-1-1+1+1+0-1)/9≒-0.22℃

つまり正の偏りではなく、負の偏りですね。

答えは×です。

(b)
実際に猛暑日になったのは、4~8日の5日間です。

RMSEは、誤差を2乗して平均し、最後に平方根を取る値です。

RMSEx=√(1+1+1+1+1)/5=1℃

RMSEy=√(0+4+0+0+1)/5=1℃

両社とも1℃なので、Y社の方が精度が高いは誤りです。

答えは×です。

(c)
実際に30℃以上なのに、30℃未満と予報した日を数えます。

  • X社:10日の1回
  • Y社:3日・10日の2回

問題では、分母を全予報数と指定しているため、

X社=1/10=10%

Y社=2/10=20%

よって、X社の方が見逃し率は低くなります。

答えは〇です。


よって解答は④です!

問13 土壌雨量指数

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
土壌雨量指数は、これまでの雨が土の中にどれくらいたまっているかを表す指標のこと。

タンクモデルでは、雨が土に入り、たまり、流れ出る様子を、穴の開いたタンクに例えて計算します。

ただし、全国一律のパラメータを使っており、その地点ごとの植生・地質・風化を直接組み込んでいるわけではありません。

答えは×です。

(b)
土壌雨量指数は、主に、比較的表層の水分状態と関係する、がけ崩れや土石流の危険度把握に使います。

地中深い部分から大規模に崩れる深層崩壊などを、そのまま評価できる指標ではありません。

答えは×です。

(c)
例えば、A地点で指数150、B地点で指数120でも、Aの方が必ず危険とはいえません。

普段の雨の多さや災害の起こりやすさなどが異なるため、その地域の基準に対して、どこまで高まっているかを見ます。

答えは×です。

(d)
土壌雨量指数は「これまでの雨による蓄積」、60分雨量は「直近の雨の強さ」を表します。

この2つの組み合わせを、レベル4土砂災害危険警報の判断に使います。

答えは〇です。


よって解答は⑤です!

問14 気象に関わる災害

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
山を越えた空気が風下へ下降すると、圧縮されて暖まります。

水蒸気量が同じでも、気温が上がると相対湿度は下がります。

風も強ければ、火が燃え広がりやすい条件になります。

答えは〇です。

(b)
うねりは、遠くの風などで発生し、伝わってきた周期の長い波です。

波は、周期が長いほど水の動きが深い所まで及ぶため、同じ水深では、周期の短い風浪より海底の影響を受けやすくなります。

浅い海へ進むと速度や波長が変わり、波高が大きくなることがあります。

答えは〇です。

(c)
湿った雪は、0℃付近で付着しやすくなります。

一方、着氷は、より低温の環境でも起こります。

過冷却水滴とは、0℃未満でも液体のまま存在する水滴のことです。

答えは〇です。


よって解答は①です!

問15 高度及び降水量の平年偏差

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
図Aでは、シベリアからオホーツク海北部付近の500hPa高度が負偏差です。

これは、その付近の500hPa面が平年より低いことを示します。

オホーツク海高気圧が持続・発達する典型的な配置では、その上空にリッジやブロッキング高気圧などが見られます。

図の負偏差から発生しやすいとする説明は不適切です。

答えは×です。

(b)
図Bでは、フィリピンの北で降水量が平年より多く、対流活動が活発と考えられます。

積乱雲の中では、水蒸気が凝結して大量の熱を放出します。

この加熱が周囲の大気循環を変え、日本付近で高気圧が強まるような応答を引き起こすことがあります。

答えは〇です。

(c)
華南から台湾付近には、降水量の正偏差が東西に延びています。

しかし、同じ付近の図Aは、おおむね正偏差ですが図Aの負偏差と対応するという部分が違います。

高気圧の中心付近では下降流で雨が少なくても、その南縁や周辺では暖かく湿った空気が集まり、雨が多くなることがあります。

答えは×です。


よって解答は④です!

まとめ

第66回気象予報士試験専門知識はこれで終わりです。

皆さん、お疲れさまでした!

←【過去問丸ごと解説!】第65回 気象予報士試験 専門知識

受験前、私はこの神社へ合格祈願へ行きました。
皆さんの合格運が上がりますように。

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