【過去問丸ごと解説!】第56回 気象予報士試験 専門知識

第56回専門知識 専門知識(11点以上)

第57回気象予報士試験・専門知識の過去問解説です。(合格基準11点以上)

解答だけでなく、「なぜその選択肢が正解・不正解になるのか」まで整理しています。

過去問演習で理解度を確認しながら、自分の現在地もチェックしてみましょう。

問1 地上気象観測

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
降水量は、一定時間内に地表の水平面に降った雨や雪などを、流出・浸透・蒸発しないものとして考えたときの水の深さで表します。

雪などの固形降水は、融かして水にした深さで表します。

答えは〇です。

(b)
アメダスでは、雨水が一定量、つまり0.5mm相当入ると転倒する転倒ます型雨量計を用いて、転倒回数から雨量を観測します。

答えは〇です。

(c)
雨量計の近くに建物や樹木があると、風の流れが乱れたり、雨滴・雪片が遮られたりして、捕捉率が下がります。

その結果、観測精度が低下します。

答えは〇です。

(d)
積雪は、自然に降り積もった雪などが地面を覆っている状態を指します。

ひょうが一時的に地面を覆って白く見えることはありますが、氷あられなどと同様、気象観測上の積雪として扱うものではありません。

答えは×です。

よって解答はです!

問2 気象ドップラーレーダー

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
レーダーは電波を発射し、雨粒や雪片などに反射して戻ってくるまでの時間から、降水粒子までの距離を求めます。

さらに、戻ってきた電波の強さから降水の強弱を推定できます。

答えは〇です。

(b)
降水粒子がレーダーに近づいたり遠ざかったりすると、戻ってくる電波の周波数がわずかに変化します。

これがドップラー効果。

これにより、レーダー方向の降水粒子の動き、つまり降水域内の風の流れを把握できます。

答えは〇です。

(c)
二重偏波気象ドップラーレーダーでは、水平偏波と垂直偏波を使います。

水平偏波は水平方向に、垂直偏波は垂直方向に振動面をもつ電波です。

答えは〇です。

(d)
水平偏波と垂直偏波の反射の違いを調べることで、降水粒子の形や大きさを推定しやすくなります。

そのため、雨・雪・あられなどの判別や、降水の強さの推定精度が向上します。

答えは〇です。

よって解答はです!

問3 ウィンドプロファイラ

気象業務支援センター

ポイント解説
12時での地上天気図と4地点のウィンドプロファイラから(a)から(c)の地点との組み合わせを考えます。

まずアから。

12時時点での地上の風向は北西で、鉛直方向の風向変化は反時計回りで時間とともに寒気移流の層が厚くなっていることがわかります。

また上空5kmの500hPa地点では南西から南南西の風向となっており、トラフ前面に位置していたと考えることができます。

つまりこの場所は低気圧や前線の寒気側であることがわかります。

次にイ。

12時時点での下層の風向は南東で時間経過とともに南から南東へ変化しています

また鉛直方向の風向変化は時計回りで暖気移流となっていることがわかりますね。

500hPaの中層では終始南寄りの風でトラフ前面に位置していたと考えられます。

これらより温暖前線の前方のc地点であると判断できます。

次はウ。

地上付近の風向は南南東から12時には南南西に変化していることがわかります。

また500hPaでの中層大気では南寄りの風でトラフ前面に位置していたと考えられます

これらより寒冷前線の前方のb地点であると判断できます。

最後にエ。

地上の風向は東から12時時点では北西に変化しその層が厚くなっていることがわかります。

また中層では12時時点西風に変化し、トラフ前面から後面に移動する軸に達していると考えられます。

このような場合、前線は閉塞し寒冷前線が通過した地点の可能性が高まります。

今回の地点には該当はありませんね。

よって解答はです!

問4 数値予報の誤差

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
解析値の精度は、空間的に一様とはみなせません。

観測点が多い地域、少ない地域、海上、山岳域、衛星観測の入り方などによって解析値の精度は変わります。

答えは×です。

(b)
誤差の成長は気象場に大きく依存します。

発達中の低気圧、前線付近、台風、不安定な大気場などでは誤差が急速に成長しやすく、安定した場では比較的ゆっくり成長することがあります。

答えは×です。

(c)
ME が 0 に近づいても、RMSE が必ず減少するとは限りません。

ME は平均的な偏り、つまりバイアスを表す指標で、RMSE は個々の誤差の大きさを二乗平均で見る指標です。

たとえば、平均的な偏りは小さくなっても、ばらつきが大きくなれば RMSE は増えることがあるんですね。

答えは×です。

よって解答はです!

問5 数値予報モデル

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
メソモデルは非静力学モデルです。

ただし、格子間隔が数 km 程度では、個々の積雲の細かい振る舞いを完全には表現できません。

そのため、格子スケールより小さい積雲対流の効果を表す積雲対流パラメタリゼーション を用います。

答えは〇です。

(b)
メソモデルは全球モデルより高分解能ですが、大気境界層内の小さな渦や乱流までは直接表現できません。

そのため、地表付近の乱流混合や摩擦などを表す大気境界層過程のパラメタリゼーションを用います。

答えは〇です。

(c)
局地モデルはメソモデルより細かい現象を表現できますが、数kmスケールの個々の積乱雲を一つ一つ正確に予測できるわけではありません。

積乱雲の発生位置・発生時刻・発達の細部には大きな不確実性があり、局地モデルでも完全な予測はできません。

答えは×です。

よって解答はです!

問6 数値予報プロダクト

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
数値予報モデルの格子点値は、その格子点そのものの地点をピンポイントで表す値ではありません。

格子間隔があるため、格子点付近の一定範囲を代表する値として考える必要があります。

したがって、実際の観測地点の値と完全に一致するとは限りません。

答えは〇です。

(b)
出力される降水量は、通常、予想対象時刻その瞬間の降水強度ではなく、ある時間内に積算された降水量を表します。

たとえば3時間降水量であれば、その時刻までの3時間に降った量。

その瞬間の雨の強さそのものではありません。

答えは×です。

(c)
数値予報モデルで計算される地上気温や風などは、実際の細かい地形ではなく、モデル内で表現された地形に対して算出されます。

モデル地形は実際の地形を格子間隔に応じて平均化・平滑化したものなので、山地や谷、海岸付近などでは実際の地形との差に注意が必要です。

答えは〇です。

よって解答はです!

問7 ジェット気流

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
ジェット気流が下流ほど強まる領域では、風速を増すために非地衡風成分が生じ、等圧面上で流れは等高度線を高い側から低い側へ横切りやすくなります。

逆に、下流ほど弱まる領域では、低い側から高い側へ横切りやすくなります。

答えは〇です。

(b)
寒帯前線ジェット気流は、温帯低気圧の発生・発達に伴って現れやすく、一般に亜熱帯ジェット気流より高緯度側にあります。

高緯度ほど圏界面高度は低いため、風速極大の高度も亜熱帯ジェットより低くなるのが一般的です。

答えはです。

(c)
この問題は問題文の中にある前線帯をどの高度の前線帯として読むかで答えが異なります。

中層から上層にかけて存在する傾圧帯・前線帯までを含めて読むなら、これは正しいです。

ジェット気流は熱風関係により、水平温度傾度が大きい領域の上空、特に圏界面付近で風速極大となりやすいからです。

一方で、前線帯を 地上前線として読むと注意が必要です。

ジェット気流の軸が、いつも地上前線の真上にあるわけではありません。

実際には、前線面は高さとともに寒気側へ傾いているため、上層のジェット軸は地上前線の真上からずれて位置することがあります

つまり前線帯の位置の解釈により答えが異なることになります。

答えは〇or×です。

よって解答は①または②です!

問8 気象衛星画像

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
トランスバースラインとはジェット気流によって発生し、流れの方向にほぼ直角な走向を持つ小さな波状の雲列のことです。

赤外画像で白く波状になっており、可視画像で下層が透けて見える薄い層を探すとCが該当します。

答えはCです。

(b)
にんじん雲は中・上層風の上側に向かって次第にほそく毛筆状の雲域を呼びます。

豪雨、突風、雷、降ひょうなどの現象を伴うことが多く、この雲域の発生や移動には注視が必要になります。

赤外画像、可視画像とも白く発達した積乱雲であるDがこれに該当します。

答えはDです。

(c)
巻雲や上層雲は赤外画像では白く、可視画像では暗く、灰色で表現されることが多いですね。

雲頂高度が高く、雲水量がすくない薄い雲を意味しています。

答えはBです。

(d)
霧や巻雲は赤外画像では暗灰色、可視画像では灰色から白色で表現されます。

可視画像では表面が一様で滑らかな形状になっていることも特徴としてあります。

答えはAです。

よって解答はです!

問9 霧

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
地上気象観測では、微小な水滴が大気中に浮遊し、水平視程が1km未満になっている現象を霧といいます。

1km以上10km未満の場合はもやと区別されます。

答えは〇です。

(b)
放射霧は、夜間などに地表面が放射冷却で冷え、その地表に接した空気も冷やされて発生します。

風が強すぎると混合されて発生しにくいため、陸上で風が弱いときに発生しやすいです。

答えは〇です。

(c)
上昇霧、または滑昇霧は、湿った空気が斜面に沿って上昇し、断熱膨張によって冷却され、飽和して発生する霧です。

山の斜面や高地で見られやすい霧です

答えは〇です。

(d)
移流霧は、暖かく湿った空気が、冷たい地表面や海面の上に移流してきて、下層から冷却されることで発生する霧のことです。

答えは×です。

よって解答はです!

問10 梅雨時期の気象

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
梅雨前線を維持する水蒸気輸送には、太平洋高気圧の縁に沿う南よりの気流と、チベット高原の南縁を通る西よりの気流が密接に関係しています。

梅雨前線帯へは、南からの暖湿空気だけでなく、西から流入する水蒸気も重要です。

答えは〇です。

(b)
梅雨前線上には数百km程度の間隔で低気圧性の擾乱が見られることがあります。

これらは一般に下層ほど明瞭な低気圧循環を持つことが多いです。

答えは×です。

(c)
オホーツク海高気圧は、やませをもたらすことがあります。

しかし、その寒気層は主に下層に限られる浅い寒気層です。

答えは×です。

(d)
西日本以西の梅雨前線では、東日本以東に比べて降水量が多くなりやすい傾向はあります。

これは下層の南北方向の温度傾度が大きいからではなく、主に暖かく湿った空気の流入が強く、水蒸気量が多いためです。

答えは×です。

よって解答はです!

問11 台風の特徴

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
台風の中心付近は、ほぼ海面付近から対流圏界面付近まで、周囲より気温が高い暖気核構造を持っています。

台風は温帯低気圧のような寒気核ではなく、中心ほど暖かい構造です。

答えは〇です。

(b)
台風は、温度傾度に伴う有効位置エネルギーが運動エネルギーに変換されることを主因として発達するのではありません。

主なエネルギー源は、海面から供給される水蒸気が凝結するときに放出される潜熱です。

答えは×です。

(c)
台風がゆっくり移動し、強風が同じ海域に長く吹くと、海面下の冷たい海水が湧昇したり、上下の海水がかき混ぜられたりします。

そのため海面水温が下がりやすくなります。

答えは〇です。

(d)
傾度風で近似する場合、風速は気圧傾度力だけでなく、コリオリ力や遠心力との関係で決まります。

緯度と気圧傾度力が同じなら、台風中心からの距離が近いほど必ず強風になる、とはいえません。

台風の眼の外側と内側においては、同じ緯度で気圧傾度力が同じになる地点がありますが、眼の外側の方が、内側より風速は強くなります。

答えは×です。

よって解答はです!

問12 雷ナウキャスト

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
雷ナウキャストは、雷監視システムで雷の発生が確認されたときだけ発表されるものではありません。

雷の発生状況や雷雲の発達状況を解析し、雷の可能性・激しさを1時間先まで予測する情報です。

答えは×です。

(b)
雷雲の移動予測に加えて、盛衰傾向も統計的手法である程度予測します。

ただし、予測時刻の途中で新たに発生する雷雲までは予測できません。

答えは〇です。

(c)
雷ナウキャストは、活動度1〜4で雷の可能性や激しさを表します。

活動度2〜4は、すでに積乱雲が発生していて、落雷があってもおかしくない状況を示します。

答えは〇です。

よって解答はです!

問13 河川を指定した降水予報

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
指定河川洪水予報の対象は、国土交通大臣が指定した河川だけではなく、都道府県知事が指定した河川も対象になります。

答えは×です。

(b)
地震や大雨などで堤防が被害を受け、河川の機能が低下している場合には、通常より早く危険を知らせるために、指定河川洪水予報の発表基準を暫定的に引き下げて運用することがあります。

答えは〇です。

(c)
指定河川洪水予報を行っている河川も、気象庁が発表する洪水警報・注意報の対象に含まれます。

ただし実際の防災情報としては、指定河川では個別の水位や洪水危険度を示す指定河川洪水予報が特に重要になります。

答えは〇です。

よって解答はです!

問14 最高気温と最低気温

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
最低気温の図を見ると、A地点では点が全体として完全予報を示す斜め線よりやや上側に多くあります。

縦軸は予報、横軸は実況なので、斜め線より上側は予報気温 > 実況気温を意味します。

つまり、A地点の最低気温予報には正の偏りがあります。

答えは〇です。

(b)
最高気温の図では、B地点の点の方が斜め線の近くにまとまっています。

一方、A地点は点のばらつきが大きく、予報と実況の差が大きい日が多いです。

したがって、RMSEで見ると B地点の方が予報精度がよいといえますね。

答えは〇です。

(c)
冬日とは、最低気温が0℃未満の日です。

見逃しは、実況では冬日だったのに、予報では冬日でないという場合です。

図では、A地点の最低気温の方が、実況0℃未満なのに予報0℃以上となる点が目立ちます。

したがって、A地点の見逃し率がB地点より低いとはいえず、誤りです。

答えは×です。

(d)
真冬日とは、最高気温が0℃未満の日です。

空振りは、予報では真冬日だったのに、実況では真冬日でないという場合。

最高気温の図では、A地点の方が予報0℃未満かつ実況0℃以上となる点が見られ、B地点より空振り率が低いとはいえません。

点の数でいえば、A地点が3に対して、B地点は0ですね。

答えは×です。

よって解答はです!

問15 大気循環と日本の天候

気象業務支援センター

ポイント解説
(a)
図Aは、極域で正偏差、中緯度で負偏差が目立つ型です。

これは 負の北極振動の特徴です。

負の北極振動では、極渦が弱くなり、寒気が中緯度へ南下しやすくなります。

そのため、日本付近では低温になりやすいです。

答えは〇です。

(b)
図Bのようなユーラシア大陸上の波列状の偏差パターンは、ユーラシアパターンに対応します。

ただし、この型が卓越すると、日本付近では高温ではなく低温になりやすいです。

極東付近が負偏差となり、東アジアに寒気が入りやすい場になります。

答えは×です。

(c)
図Cは、日本付近で亜熱帯ジェット気流が平年より北側に偏っている型です。

この場合、日本付近は寒気が流れ込みにくくなり、日本海側では降水量がすくなく、太平洋側で多くなりやすいです。

答えは×です。

よって解答はです!

第56回気象予報士試験専門知識はこれで終わりです。

皆さん、お疲れさまでした!

【過去問丸ごと解説!】第55回 気象予報士試験 専門知識 

【過去問丸ごと解説!】第57回 気象予報士試験 専門知識

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